トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ160号目次

乾徳山
原口 藤雄

山行日 1962年4月2日
メンバー (L)原口、花岡、市川

 4月1日、新宿23時45分の列に待ち合わせたが誰も来ず、塩山に着き『モートー』『三峰』と言っても返事がなく最終のバスに乗車、暗い中を徳和に着きすぐ出発。ハイカー連を尻目にどんどん飛ばす。オソバ沢の辺りで夜が明けてくる。
 広い道と分かれて右に沢沿いの小道に入る。指導標も完備されて迷うことはない。徳和から1時間20分ほどで金晶水と呼ばれる水場に着く。すぐ上手に国師ヶ原が広がり右手に小屋があり、すぐ道は急坂になり幕岩からの尾根と分かれ左手に入る。
 痩せ尾根に取付き高度を稼いで主稜に合し、後には富士の雪を被った美しい姿、その右には駒ヶ岳から光岳まで、南アの雪の光った連山が見える。道は雪が付きそれが昨日の雨で凍って滑るので気をつけて歩く、霧氷がきれいである。水割石、ヒゲスリ岩、念仏岩、蟹石等と呼ばれる所を過ぎる頃にはあらかたのハイカーを抜いてしまった。最後の天狗岩の下に着いた時、上の方から私の名を呼ぶ人があるのでよく見ると花岡君と市川君が岩の上にいた。鎖にすがって上に合する。頂上も人で混んできたので小休止の後、黒金山に出発。
 真北へ岩を30mで中のタワに立ち、雪の上の踏み跡もか細い。奥秩父特有の原生林の中をナタ目を頼りに暫く行くと、尾根はやや西へ曲り右に伐採の跡で明るく開けて笠盛山を過ぎる。尾根が幅広くなり黒金山の西肩に着き、しばらくの喘登で明るい頂上に出る。乾徳から1時間25分である。右手に木賊、甲武信、三宝、国師、左手に南アの連山が見える。
 食事の後、大ダオへ下る。美しい平である。すぐ東奥山窪へ道は細く流れに沿いケルンに導かれぐんぐん下る。木馬道が現れてやがてトラック道となり、小屋沢で顔を洗い梅が咲いている徳和の部落に着いた。

〈コースタイム〉
塩山(3:45) → 徳和(4:45) → 金晶水(6:05) → 乾徳山(7:25~7:35) → 黒金山(9:00~9:35) → 大ダオ(9:55~10:10) → 徳和(11:35~11:55) → 塩山(12:45)


トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ160号目次