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谷川岳(西黒尾根)
井上 貞雄

山行日 1962年5月10日
メンバー 井上

 マチガ沢から左手の雪の斜面を登って巌剛新道を横切り、樹林帯を潜って西黒尾根に出たのが8時30分頃。途中、リスやウサギに出遭ったのが印象的。また小鳥の多いのに感激。ラクダの背を降りると憬雪小屋に屋根がない。右眼下のマチガ沢で雪上訓練している風景が面白い。ザンゲ岩に10時頃着く。ここで持参した即席ラーメンにありついたがお湯がなかなか沸かない。親友との山行きとあって雑談は楽しく、のんびり遊んで正午を過ぎた。登頂はまたの機会にして頂上を目前に見ながら断念、下山は午後1時に巌剛新道から雪渓を降り、マチガ沢に合した。途中クレバスに転落して右足太ももにピッケルを刺し負傷した。雪渓がズタズタなのは予想外だった。僕は終始同僚を気にして未然に本谷へ降り、右足をかばいながら歩いた。出合近くの雪渓は悪く、足元が穴だらけ。除くと下は急流になっており、足元をすくめる。緊張しながら午後2時出合の小屋に着く。天神平で遊び午後4時46分、上野行の列車で無事帰京。


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