トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ162号目次

武甲山南面
渡部 武夫

山行日 1962年7月15日~16日
メンバー 渡部

 先日、武甲の三ノ棚沢小櫻ドウエを遡行すべく入山したが、石灰採掘の工事が進みその変わり様は著しく1、2年前の案内書ではまごつくことこの上ない。
 先ずハイキングコースと言われるウノ岩尾根は工場の中を通りトロッコと競争をしなければならないので相当の注意が必要である。
 また武甲の表看板である屏風岩は岩そのものの変化はないが採掘現場の直ぐ上なので削岩機の音がうるさく、時には発破の音に驚かされる。三ノ棚沢の入口は工事現場をトラバースして入るのであるが工事人が許さず入れない。事実一抱えもある岩が無数に落ちてくる。障子岩、日陰指沢は変わりなく小櫻ドウエは出合さえ見つければ遡行できると思うが、我々は半日かけて探したが見つけることができなかった。
 石灰採掘工事が進むに連れて屏風岩も小櫻ドウエもなくなると聞いている。ついでながら、この辺りに入る時のベースとして我々は白沢の出合近くに天幕を張ったが、ここには絶対張らぬことである。上流より採掘場の土砂が流れ我々は命からがら逃げ出したのである。このようなことは初めてとのことだが。
 以上まとまりのないことを書いたが、これからこの辺りに入る人の山行としてください。


トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ162号目次