トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ163号目次

白馬岳~唐松岳縦走
佐藤 昇弘

山行日 1962年7月21日~22日
メンバー (L)佐藤、笠野、野口、荒井、横山

7月21日
 大糸線信濃四ツ谷からバスで約1時間で猿倉に着く。猿倉から鑓温泉への登路を分け白馬尻へ。白馬尻から10分くらいで大雪渓に立つ。大雪渓の登りはガスが濃く一雨きそうだ、しかし頂上まで人間が連なっているのでいくら悪天でも道を間違えることはない。雪渓が左へややカーブする辺り右から三本の支流が入る。真中が三号雪渓だ、上部にさしかかるとガスが時々晴れて正面に高山植物の咲き乱れる葱平が見える。
 葱平を登り切って小雪渓の入口で昼食。小雪渓は右へトラバース気味に登る。左手に杓子岳の男性的な姿がガスの合間に望まれる。岩と花の中の道を辿って頂上ホテルへ、受付に一人20円のキャンプ代を払って小屋の裏手に設営する。
 夜、風雨が強くなり明日が心配だ。

7月22日
 昨日とは打って変わった上天気に気を良くして出発。丸山からの景色は素晴らしい。前方に槍、穂高、黒部川を隔てて剱がドカッと見える。縦走路は杓子岳、白馬鑓ヶ岳の頂上を通らず黒部側を捲いている。
 白馬鑓ヶ岳の頂上直下からしばらくで鑓温泉への下り道を分岐する。不時の場合逃げ道によいと思う。天狗山頂で軽い食事を摂り、単調な幅広い尾根を南下、やがて天狗の大下りになる。落石に注意しながらジグザグに約300mの下りだ。下り終わって不帰岳とのコルに立つ。不帰岳とはここから唐松岳までの四つの岩峰の総称で縦走路中最も痛快な所だ。
 北から一峰、二峰A、B峰、三峰といい、二峰の登りが少々悪いが鎖、鉄線、梯子等があり案ずるほどでもない。この頃よりガスとなり風がないので暑くて参った。
 三峰頂上から痩せた尾根を辿って唐松岳頂上着。前方には五竜岳の大きな山容が目前だ。八方尾根の分岐点で昼食を終わり、尾根の下り始めは岩壁沿いの道や痩せた尾根だがやがて幅広くなる。無風で相変わらず暑い、シナノキンバイの群生地を通り過ぎて八方池(第三ケルン)に着く。第二、第一ケルンを経てジグザグの道を一路八方山荘へと急ぐ。

〈コースタイム〉
7/21 信濃四ツ谷(7:00) → 猿倉(8:40~9:05) → 鑓温泉分岐(9:40) → 大雪渓(10:40) → 小雪渓(13:15) → 頂上ホテル(14:15)
7/22 頂上ホテル(6:00) → 鑓温泉分岐(7:40) → 天狗岳(8:15~8:45) → 唐松岳(12:15) → 八方池(14:15~14:30) → 免平(16:30)

トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ163号目次