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三ツ峠集中山行 笹子口(清八峠)コース
小島 作蔵

山行日 1963年6月9日
メンバー (L)小島、原口、山本(敬)、溝越、別所、播磨

 梅雨期のためか天気は芳しくない。笹子駅より街道を左にとりしばらく行く、導標に導かれるまま左の山道に入る。神社の前の立派な道を清八峠に向かう、夜は明けたが周囲一面の濃い霧である。しかし、この道は静かだ、静かな霧の山道を歩くなんてえのはなかなかオツなものだ。詩か何か飛び出しそうだが野郎ばかりなので、その気になれない。
 途中、壊れた小屋で昼食、再び峠を目指して歩く。高度が上がるにつれ霧が晴れ待望の青空が見え、樹々の間からは陽が射し込んできた。やっぱり太陽の光は気持ちの良いもんだ。汗を流し小鳥のさえずりを聞きながらジグザグの急な山道を登り、清八峠に到着した。島のようにガスの上に点々と突出している峰々、そして聳ゆる霊峰富士(イイ調子)とここよりの展望なかなかよろしい!ここより三ツ峠まで90分、小さなピークを三つほど越さなければいけないが、一つ山越しゃホンダラホダラダホイホイと歌の文句ではないが元気に歩く、やがて左手より落ちる不動の滝に出た。そこでバーナーを焚きラーメン等を作って休憩する。外国バーナーと国産バーナーの火の出るような(火の出るのは当然)戦いが飛び入りして面白く休憩した。腹がいっぱいになったところで、最後の登りを一気に汗を流しながら三ツ峠頂上に到着。山頂を通り過ぎ小屋に行き、一寸休んで岩登りのゲレンデに行く。ゲレンデは久し振りの快晴のためか親不孝どもでいっぱい、まるでビルの工事のようだ。俺も親不孝の仲間入りしてルートを1本登ったが、この親不孝の登っている姿を暑い陽に照らされながら見上げているバカ達がいるんだから世の中は広いもんだ。
 帰りは全員で母の白滝を通り河口湖へ下山した。

〈コースタイム〉
笹子駅(3:25) → 清八峠(6:15) → 不動の滝(7:15) → 三ツ峠(8:50)


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