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三ツ峠岩場
小池 泰雄

山行日 1963年12月1日
メンバー (L)横田、花岡、溝越、別所、遠藤、高田、茂沢、他3名

 今日は雲一つ見当たらない好天、参加者も多く、食料も富士合宿の残りが豊富にあって実に快調である。師走だと言うのに暇な奴らが結構いる(俺達は違うよね!!)。
 さて例によって三ツ峠駅前で『ウドン』を流し込んでボツボツ登りにかかる。月がとっても明るいので懐中電灯は要しないが、ダルマ石の上でこの世のものとは思えない酷い歌声を聞く(少なくとも本人達は歌っているつもりらしい)。毒気に当てられて早々に逃げ出しやがて岩に着く。私を始め初心者が多いので、ザイルの結び方から教わり、先ず一般ルートに取り付く。人数が多いのでなかなか順番が回ってこない。2、3回上下しているうちに3パーティほどが入り乱れて身動きがとれないので更に上へ登る。登るに連れて南アルプスが新雪をコッテリ付けて浮かび上がってきた。甲斐駒、白根三山、塩見、荒川、赤石岳と誠に雄大な眺めである。そのうちやけに腹が減ったので下る。ニギリメシ半分の朝メシでは腹の減るのは当然である。今日の昼メシは餅入りの汁粉ならぬ汁粉入の餅であるが味はなかなかいける。午後はのんびりとしばらく休んでから一般ルートの左側を登ったが、昨晩の寝不足のためにテラスの上で一眠り、帰りは御坂峠を目掛けて一気に駆け下った。


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