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スキーかぶれ
M生

 スキーシーズンも華々しく幕を下ろした。そして、山の季節がやってくるとやがて脳裏からスキーが消えてゆく。それでも中には夏にスキーを担ぐ『反逆児』が見受けられる。年々スキー熱が高まり我が会でも今年からスキーにかぶれた輩が何人か誕生。山岳会と銘打っても足跡にはスキー行ばかり。ルームに行ってもスキーの話に花が咲き、山岳会の花形、冬山も影が薄く、たまに山へ行こうものなら異端者と見られそう。
 それで肩身の狭い思いはしたくないので私もスキーを履いた。それが病みつきとなり、色白の美肌を自称する私も遂に色が白くなる暇もなくなってしまった。そして今や『重荷を担いで縦走なんておかしくって』などとのたもうくらいかぶれてしまった。考えてみれば、よくもこれだけゼニコを使って、毎週のようにスキーを担いで出かけたものだが、不思議と赤字状態にはならなかった。金は天下の回り物、などと言うが、生来の金欠症患者、一生懸命働いても残らない筈である。それを知っていながらスキーに出かけてゆく。計画性がないと叱られたが、それでも無性に恋しくなりゲレンデに通いつめヘトヘトに疲れて、今度こそは止めようと何回となく思ったことか。それ程スキーは魅力のあるスポーツなのか?しかし、あの爽快さを想い出してみる時、そんな問題など吹き飛んでしまうのである。
 これから来シーズンまで板をサヤに収めておけるだろうか。それは疑問として残された問題である。


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