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沖ノ源次郎沢
酒井 宏

山行日 1964年3月15日
メンバー (L)酒井、内藤、播磨、他2名

 大倉バス停より相変わらず長い林道を歩くことしばし、ほんのり汗ばむ頃仲小屋を通過、本谷小屋上部で一息入れ身支度を整え沢へ入る。本谷F1、F2、F3を「N」と「S」は右ルートを「H」他2名は巻道を取る。それ以後は全員安全ルートを取る。F6下にて沖源となり左へ入る。水のないF1、F2が連続して我々を迎えてくれ、F1は右側を岩の脆いのにもめげず全員通過。F2はNとSが中央より右へトラバース気味に登り、H他2名は左側の所を登る。F2を少し行くとF3で、全員簡単に登り食事とする。雪でまだらになった山と本谷を登っていく人を眺めながら食事は都会では味わえないだろう。食事の後、F3を登り降りしてNさんに基本を教えてもらう。1時に出発、沢筋には雪が積もっており30cmほどであったのが、上部に行くにつれ50cmになった。左側からのザレ場を二つほど逃げて右の沢通りに行ったが、3本目でザレを登ることにする。しかし、所々雪が深くなり腰まで潜ったり、四つ足になったりしながら草付きへ逃げ込んだが、ここも笹の上に雪が積もっているので腰まで潜り、青い息を出しながらも尾根の取付きへ。振り返ると右手下に沖ノ源次郎が鍋割分岐辺りに食い込んでおり、上の方には塔ヶ岳を始め表尾根が浴衣地のようなまだら姿を見せ、左手には緑の美しい秦野平野とその端の海岸線まで眺められ、江ノ島が浮世絵のように霞んで見える。花立小屋にて一息入れて、大倉へ滑りに滑って泥まみれになって着く

〈コースタイム〉
大倉(8:40) → 水無川本谷F1(10:20) → 沖ノ源次郎沢出合(12:00) → F3上(12:15~13:00) → 花立小屋(15:20~16:00) → 大倉(17:45)


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