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年頭所感
委員長 原口 藤雄

 昨年の冬季合宿だった荒川岳で、また穂高の北尾根からの転落で現在両方とも遺体が発見されていない状態である。両方の遭難が我々にとって深い関係があり教訓を与えられる。北尾根は緑嶺山岳会で、一昨年奥又の松高尾根でお会いしたものであるといえば、ああなるほどと思い出す人もあるであろう。荒川岳の遭難については新聞で大きく取り上げ、あたかも不可抗力であった如く扱われているが、我々から見れば遭難は山を甘く考えたものであろう。それは夏道で行動し雪崩に巻き込まれたもので5人共経験者であることも災いしているであろう。夏道にすれば2時間くらい早く小屋に着くもので、雪渓通しに下り、その途中に雪崩が起こったものではなかろうか。本年は自戒し、遭難を起こす前に、今どのような状態か現状をよく把握し、より慎重に行動して頂きたい。命は一つしかない、それを生かすも殺すも皆さん自身に関わっていることである。だが青年にあっては、より強くなるための冒険も必要であり、退歩は老人のすることである。我が会にあっては遭難を出さないよう深く考え、今年も余裕を見つけ自然に浸ろうではないか。


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