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天神平スキー
牧野 盛治

山行日 1964年12月13日
メンバー (L)牧野、小島、佐藤、内藤、浦島、内田、小池、他2名

 師走も半ば、恒例の谷川天神平へ初スキーである。それを祝ってか谷川にしては珍しいほどの好天。早やゲレンデに思いを馳せて浮き浮きとロープウェイに乗り込み、いざ天神平へ!背後に段々低くなる朝日岳がモルゲンロートで美しい。どの顔を見ても嬉々としていて、貸し切りのロープウェイの中は騒々しいことおびただしい、まったく素晴らしい天気だ。天神駅からロッジまで喜び勇んで駆け足。まだ明けやらぬ天神平ではもう滑り始めている奴がいる。我々もロッジに入り込み、賑やかに身支度を整えて陽が照るのを待ち構える。朝日が昇る頃ゲレンデに飛び出し適当な所で三峰体操でオイッチニィ。さあ板を付けて初滑りだ!!とは言え、久し振りのスキー足元が何か心もとない。そんなこと構うもんか、滑れ滑れ、どんどん滑れ!!
 適当に膝が慣れた頃リフトに乗る。初めてスキーを付けた内田嬢は登ったり降りたり大変だ。でもそれを繰り返すしかしようがない。
 一般ゲレンデを滑るが人が混んできたのと物足りないのとで、隣のシュプールの跡がない急斜面を深雪の中に足を突っ込んでの直カリ。雪煙をたてて滑る様は誠に楽しい。ストックを脇に抱えたは良いが、次の瞬間雪の中に姿が見えなくなりやがて足をバタバタさせてもがいている。そんな連続で全身真白。うっかり板を外そうものならさあ大変、その周囲をラッセルして探さなければならない。
 一度転ぶと起き上がるのに一苦労。疲れはするがそんなことで凄く楽しい。さしもの斜面も我々のシュプールが縦横無尽に走り尽くす。
 昼食後、全員で天神峠に立ちその素晴らしい景観を眺めてロッジ目指して滑り下る。楽しい時は時間なんてたちまち経ってしまうものだ。全員滑り過ぎで脚がガタガタくる頃、道具をしまい込んでロープウェイ駅へ。無風快晴、しかも粉雪と絶好のコンデションの中を大いに滑り初め、転び初めをしたのである。
 いやー、楽しかったね!!


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