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浦佐スキー
山本 敬三

山行日 1965年1月15日~17日
メンバー (L)山本(敬)、小島、牧野

 「金峰山」の例会であったが、参加者が一人もいなかったのでくさっていたところへ、小島さんからスキーへでもとのお声がかかってきた。小島さんとスキー行くとなると必ずテント持参で出かける。テント生活を楽しむ上に安く行けるのが魅力である。
 上野駅はスキーヤーでごった返していた。日帰り予定の牧野君も参加した。食料事情が厳しくなるが、2人より3人の方が面白かろう。とにかく上越線に乗り込み、浦佐スキー場へ直行。
 浦佐と言うとあまり知られていないようだが結構楽しめるスキー場である。早速ゲレンデの際に小屋を設営して、午後から小島さんの指導のもとに山廻りクリスチャニアの練習を始める。我が小島先生、意外と厳しく"はい、良くできました"とはなかなか言ってくれない。最も自己流が身についてしまって基本通りにはいかなかったのかもね。たっぷり日が暮れるまで滑る。
 翌日は朝から雪が降り出し、リフトに乗って滑るが全身びしょ濡れ。2時間ほどで止めてしまう。昼食はホットケーキを作って食べる。地元の子供たちが来てしきりにテントの中を覗くのでケーキを分けてやることにする。最初はおとなしく入口に座っていたが、次第に図々しくなって、しまいにはテントの中で暴れる始末。こっちは適当にあしらっていたが、いつの間にかこっちがからかわれている。挙句の果ては食い逃げときた。
 夜になってナイターへ出かける。快適に頂上から直滑降、昼間より滑り良い感じだ。少しは上達したのかなと思うくらいである。相変わらず雪が舞い降りてくる。こうなるとテント生活が楽しいなんてものじゃない。何もかもびっしょり。おまけに人一倍よく食べると噂のM君がいては3日分の食料を全部食べ尽くしてしまう。空腹を抱えて話と言えば食べることばかり。
 3日目、降り続いた雪も止み、空はからりと良い天気、日曜日とあってリフトも満員。それでも要領よく乗ってしまう。割り込みがいけないことは良く解っているが何せ並んで待っていたのではいつ乗れるか分かったものではない。悪いことをして滑ろうっていうんだから上手く滑れる筈はないのである。スッテンコロリンと転んでばかり。
 やっと調子が良くなった頃、さあ帰りましょ。浦佐発のスキー列車に乗って帰京。


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