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菅平スキー(根子岳ツアー)
小島 作蔵

山行日 1965年2月13日~14日
メンバー (L)小島、長久、上曽、内藤、野田、牧野、渡辺

 信頼すべき消息筋によりますと今年の菅平スキーは約15名ほどの参加がある模様です。という情報によりオンボロスキーを担いで上野に来てみりゃいつもの面々、全く畑の肥やしじゃあねえがカケゴエばかりで実にならず、ともかく行きましょうと満員電車、バスに揺られ菅平入りしたね、雪の早暁の道を小林館へと。
2/13 旅館には内藤氏と明石から遠路お越しいただいた長久氏が先泊していたので暁の乱入を企て、二人を起こし我々一同一休み。天気が思わしくねえから今日はゲレンデだなと思っていたら、夜明けと共に天候回復、さあそうなると俄然元気が出てくるね、ドウスルオイ!コレガ根子ニ行カズニイラレルカ、マア考エテ下サイと朝食後直ちに出発したね。本日天気晴朗なれども風強し、ストックにつけた小旗「三峰」がハタメク、スキーを肩に雪の進軍を開始する。しかしながら諺ににもある通り、近くて遠きはつんぼの耳、いやあこの道の単調で長いこと、わずかに遠く北アの山々の展望だけが慰めだ。途中で小休止をとる。上曽、渡辺両氏ここで降りるとのこと。上曽氏よりシールを借り、長久氏と私はスキーを付け、他の3人の方々はスキーを担ぎ再び登り始める。雪が段々深くなり、3人の方々は腰まで潜りながら「山があるから登るんだ、山がなけりゃ登らない、エンコラセーエドッコイセッ」と登る姿、勇ましいなあ、可哀そうだなあ。宿を出てから3時間余り、やっと頂上に到着。いやあ、ここよりの眺めの良いこと、貴方にも見せたかったねエ。さあ大斜面の滑降だ、この日のために鍛えた技をと滑り出したね。しかしだ、整地されていない山の雪、ゲレンデと雪に変わりないことはない。深雪あり、アイスバーンありだやり難いよね全く。最初はきちんと斜滑降、そのうちだんだんブカッコウ、キックターンで方向変えてイイトコ見せると、パラレルやれば足がハナレル、イイトコなし。それではボーゲン、アンヨを開き今度はうまく曲がれるだろうと思ってみたのが大間違い、曲がるどころかまっすぐ滑り、滑るスキーの風切る速さ、雪煙上がってスッテンボーゲン、空の青さが目にしみた。とまあこんな具合に全部の技を出してツアースキーの醍醐味を味わう。足首、膝が痛くなる頃、ゲレンデの頭に飛び出し、10キロに渡る滑降を終えた。
 宿に帰って遅い昼食を摂り、再び今度はゲレンデに手の猛練習、夕焼け小焼けで日が暮れて皆帰ったゲレンデで月を明かりにテール落とし、野田さん、内藤さん、牧野さん共々全くよく練習した。どんどん滑るのも良いがまだ明日がある。調子に乗るのも良いけれど過ぎちゃいけない身のためだと、月も言っているようなので今日の練習はこれにて終了した。明日は上曽氏に精々しごいて頂きますかね。


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