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谷急沢
鈴木 嶽雄

山行日 1967年4月2日
メンバー 鈴木、播磨、佐藤(史)、小倉

 横川駅に夜中の2時半に着く。明るくなるまでトランプをやり、5時半ごろ出発する。ようやく明るくなり始めた中木の林道を右に裏妙義、左に表の岩峰を見ながら行くと中木ダムに出る。中木沢本谷とコモリ沢の出合で朝飯にする。林道を行くと左に小山沢、次に星穴沢である。橋を作っていた人に谷急沢の道を聞き、そこから中木沢に入りすぐ右から谷急沢である。F1が見えた時カメラを沢の中に、これがもとで新しいカメラを買うことになる。F1は左から直登、まもなく二俣になり、右を見送り左へ進む。この辺から滝も直登したり捲いたり、深いトロ、またナメありで結構楽しい。F10の横から曲がって落ちる滝を過ぎると沢も荒れてくる。やがて左より女道が現れ一休み、野田さんと差入のリンゴをいただく。女道の左の尾張に登る所に指導標があり、谷急山には右の女道と大遠見峠から尾根どうしに行くのと、沢を詰めるのとある。相談して沢を詰めることにする。やがて谷急山と思われる所に岩峰が二つ並んで見えた。
 いよいよ見通しが悪くなり一休み。左の尾根に偵察に登ると並んだ岩の後方に谷急山がやっと見えた。下に降りた所に炭焼小屋跡があり、沢が二つに分かれている。右の沢を詰めると岩峰に出そうなので止め、左の方は大黒乗越の道らしいが、判らなくなり沢に出る。滑り易い滝を越え最後の詰め、右は壁のような沢。左の沢は雪があり急である。左の沢と真中の沢の間を登り偵察に出る。20mくらい登ると後は楽な谷急山からの尾根に出る。谷急山が目前にあり、後方に烏帽子が見える。皆を呼んで昼飯にする。
 3人を残し再び偵察に出る。山壁をトラバース、少し行きガレを登るのだがそうとう傾斜があり、ザイルが欲しいところ、無理すれば登れそうだが、この先も大分悪そうなので谷急山を登ることを止めにする。
 まだ12時頃なのに、増々暗くなり夕方のような錯覚になって気が焦ってくる、早々に退却、登ってきた尾根を慎重に下り、木の根や枝をつかんで急な尾根を無事沢に下る。
 僕など、心臓がドキドキなのに女性軍「面白かったわ」には参ったね!!


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