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阿正念沢から物語山
鈴木 嶽雄

山行日 1968年2月4日
メンバー 播磨、鈴木、山本(義)

 西上州は奇岩峰の多い特色のある山域で、その中に物語山がある。この山の伝説は戦国時代、幽崖城という城があった。幽崖城が落城、敗れた一族は尾根を伝って、メンバ岩の岩峰へ藤蔓を頼りに、岩へと逃げ、上から藤蔓を切り落して戦かったが、最後は全員刺し違え、あるいは自決し相い果てたという。その時城から持ち出した金銀財宝を岩上に隠したといわれている。後に村人がこの財宝を探しに登ったが、ロープが切れ滑落死した。その後今だに岩上に登った人はいないそうだ。
 夜行で来て、高崎駅で3時間くらい待ち、上信電鉄下仁田駅からバスで深山温泉前にて下車、市野萱川、物語橋を渡り左へ市野萱川沿いに小道を5分ほど行くと阿正念沢出合である。荒船山岳会の導標を頼りに沢筋を登り滝を越えて行くと右へ物語山の道がある。そのまま沢筋に行くと阿正念の大滝に出る(30mくらい)。滝が凍結し見事な大ツララが下り滝下には氷塊が美しく宝石のようである。この辺は昔、行者が行を行った所で、石灯籠や石碑石仏がごろごろしている。そこで朝食を食べしばしの休み。
 頂上へは分岐まで戻り、はっきりしない道を急登尾根に出る。風が強く小枝のうるさい藪道を高度を上げる。
 低山とはいえ、2月の山である。風も冷たく厳しい。最後が岩場状になり、岩角、木の根や枝を頼りに、大苦戦の末、ようやく阿正念山に出る。
 阿正念山から下り丹沢の分岐点で、そこから一登りで物語山に着く。山頂からは展望が良く左には鹿岳の奇峰、遠くには御座山、赤久縄山など登りたい山がズラリある。正面には荒船山、右には浅間山が白銀に輝いていた。下山は丹沢分岐から、ガラガラ首をメンバ岩を右に荒船鉱泉へと急ぐ。
 鉱泉で別府マラソンを見て、色々と話をしてもらい一汗流す。休憩100円でした。


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