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谷急山
野田 昇秀

山行日 1969年6月22日
メンバー 野田、五十嵐、山本、鈴木、播磨

 裏妙義の西外れにある谷急山は静かな山である。一昨年鈴木君達が谷急沢より登頂を試みたのも静かさが魅力であったのかもしれない。今回例会に取上げたのも、その静けさの為である。必勝を期してよりやさしい並木沢を選ぶ。しかしながら雨である。上野駅に集合した時もかなり激しく降っていた。従来ならば、すでに中止になっていたであろうが、4月の大集会の討議が皆にゆき渡っていたせいか、5名が参加してくれた。未明横川駅に到着、6時まで仮眠した後、雨の中を出発する。出来るだけ例会計画通り実施しようとして、国道から碓井川沿いの道を1時間程歩き入山橋から登山道に入る。雨は上から濡れた草は下から、と全身ぬれねずみになりながらも、並木沢に降りる。すぐ上の大滝は、豪々と水を落下させていた。2、3人が直登を試みるも、増水した水は手から身体を伝わり、靴の中にたまる。沢の登行は危険であった。雨の中をここまで来れば既にきびしい掟を充分に尊重したと信じて中止とする。
 大休止後、藪漕ぎ1時間程で谷急山、大遠見峠間の稜線に出る。ここは登頂後下降路に利用しようとした稜線である。かなり明瞭な踏み跡がついていた。雨もやっとあがった。このまま谷急山に登ることも出来たが、並本沢が残ってしまうと、勝手な理由をこじつけて、そのまま大遠見峠に下り裏妙義山を頂度岩まで縦走して、鍵沢を下って横川に着いた。
 谷急山に登られる方は、山ビルに注意されたい。被害 五十嵐1匹、野田2匹、なお、ザイルを持参された方が気強いでしょう。


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