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川苔山集中登山 鳩ノ巣コース
播磨 忠

山行日 1970年4月19日
メンバー 播磨、本多

 当初の計画では、真名井沢の予定だったのだが、時間が遅れたのと、雨が降り出したことで、最短距離である鳩ノ巣から、大根の山の神、大ダワ経由のコースに変更した。
 朝東京を出る時は、何とかなりそうな天気だったのだが、鳩ノ巣駅に降りる頃には、雨が小止みなく降っていた、気の進まぬままに歩き始める、はたしてこの天気で、前夜発の遅中は、予定通り登っているだろうか?彼等が行動を中止すれば、集中登山の日的は達成されないし、何よりも、予定通りならば、彼等はスキヤキの材料一切を持って登っている筈で、頂上でそれにありつけるのを、我々は最大の目的としていたのである。
 大根ノ山の神を過ぎる頃から、雨も小降りになり、大ダワの少し手前でそれも完全に止んだ、しかし相変ず、どんよりと重苦しい雨雲が、空一面埋めつくしている、大ダワを過ぎる頃より、モートーのコールを送るが、それらしき反応はゼロ、逆川を横切って、ウスバ峠と呼ばれる所から、尾根に取りつき、頂上へ向かって登り出す、途中何回となく、モートーのコールを試みるが、むなしく風に消えるのみ、ついにスキヤキは断念せねばならないかと思いつつ頂上に到着。
 他のパーティのバーナーを横目でにらんで、生唾をのむ、畜生!今日はついてネエナ!連中、中止したんだなと思いつつ、もう一度モートーを試みると、夢か、うつつか、幻しか、かすかにそれらしき反応、嬉しかったねその時は、暫くして藪の中から、泥まみれになって登ってきた連中、ヒドイヒドイの連発、そうでしょう、この天気で沢登りとは、全く御苦労様、こちらもやっとスキヤキにありつけます、時を前後して赤久奈尾根から、登って来たヤゾーさんと一緒に、都合8人で、スキヤキをつつきながら楽しい一刻を過した。
 帰途は、川苔鋸尾根、大ダワ、本仁田山を経て、予定通り氷川へ下山、頂上でのんびりしたせいか、駅へ着いた頃は、日もとっぷりと暮れて、夜になっていました。


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