山行日 1970年5月17日
メンバー 播磨、溝越、今村、広木、山本(義)
前夜、22時12分、上野を発つ。あまりの混雑で気分悪く大宮で下車し、播磨さんら後から乗る臨時で沼田へ向う。駅のベンチで仮眠、目を覚ますとかなりの雨だ。一時はふてくされ、温泉にでもの声もでるが、わずかの晴れ間を見、一応、迦葉山の登山口である透門へ向う。一時止みかけた雨は、ひどくなるばかりだ。この迦葉山、なんとかの三大天狗とやらで、貸切の大型バスで何台も入り、予想もできない程のおお賑わいだ。弥勤寺までの参道、ジイサン、バアサンが杖を持ちゲタを履いた人、長ぐつの人、様々、喘ぎ喘ぎまた励まし合いながら雨の中を歩いている。ここで、この寺でしばしの休憩、雨は一向に止みそうで止まない。ここからの登山道〔参道〕がふるっている。本堂の横にある渡り廊下の下を潜るのだが、何か人の家にでも忍び入るようで気まずい。胎内潜り岩まで、多少急な登りで息切が激しかったが、あっけなく着いてしまう。チムニーあり、リッジあり、鎖のついた岩場はスリル満点だが、視界が全くないのが残念だ。この岩の下に四畳くらいの御堂があり、調子の悪くなったバーナーを必死で修理し、焼そば、盛りそばを作り昼飯とした。雨は一層強くなるばかりで、山頂を諦め、さて下山という頃小雨となり、付近が明るくなったので、頂上を目指す。尾根にでるまでかなりの急坂だが後平坦となる。なかなか良い所だ。視界が開ければ、素晴らしい展望だと思う。玉原方面へは、新緑のトンネルを抜け今までとはうって変り平坦なゆるい下りだ。途中には湿原り、シラカバの林あり、別天地のようだ。今回は時間が足らず玉原越えができなかったが、また来たい所だ。坦々とした林道を透門へ向う。朝、あれほど、賑わっていたのに、ほとんど人気なく、静まりかえっている。バスに乗る頃、また雨は強く降り出してしまった。地図上、武尊の裾野にあり、ほとんど目立たない山だが、もうけものをしたような気がした。
〈コースタイム〉
沼田(7:20) → 透門(7:55~8:45) → 弥勤寺(9:30~10:30) → 胎内潜り岩(11:00~14:00) → 迦葉山(14:30) → 林道(15:05) → 透門(16:30)