トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ213号目次

前大沢~小草平の沢
今村 信彦

山行日 1971年3月7日
メンバー 今村、播磨

 前日、丹沢号にて渋沢へ、駅より車で大倉へ入る。例のごとくアルコールを購入し、キャンプ場にてツェル卜を張る。かなりの冷え込みだが、ツェルト内は暖かい。
 前大沢は水無川沿いの林道を進み、倉見山荘(水無川近道とあり)への道へ行き降り立った所が出合だ。ここでソバを作り、パンをかじり、ゆっくりと朝食をと摂る。沢に入ってすぐF1、2m程だが最初の一歩が登りにくく、強引に乗越す。F2、ちょっと嫌らしい所だ。そしてまた、すぐにF3、上半分が堰提になり、播磨さんは左よりオレは右から、一見簡単そうだが重荷を背負っては、最後の一歩が跡み切れず、播磨さんに引張り上げてもらう。F4、F5、F6、と割りに簡単に越すとすぐに第二の堰提となり核心部は終る。この間、極くわずか、すぐ下に林道が見える。
 これより廊下状の所が続き、涸滝の連続を快適に乗越し、大倉尾根の堀山へつき上げる。詰めは藪は薄いが急峻で浮石多くひどく登りにくい。大倉尾根を少し登り堀山の小屋より、小草平の沢を下る。沢へは、二俣への道を下り、桧の植林の切れた所より左へ入ると、沢の核心部に出る。ほとんどの滝をアプザイレンで下る。小さい割には、面白味のある沢だ。下山中、播磨氏、片足を冷水にひたしたり、滝上よりザックを落としびしょ濡れにしたり、また、最後の滝F1で足を滑らし転落寸前だったりしたが、結構楽しい山行でした。濡れたザックと中身は、大倉に着いた時には、トタン板のように凍り、冷え切っているというのに、ビールで乾杯し帰路につく。

〈コースタイム〉
大倉(8:45) → 前大沢出合(9:30) → 第二堰堤(11:30) → 大倉尾根(13:00) → 二俣(16:30) → 大倉(17:30)


トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ213号目次