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大岳山集中登山 越沢コース
播磨 忠

山行日 1971年10月3日
メンバー 小島、溝越、播磨、山本、今村

 ここのところ大分天気がぐずついて、はっきりしない日が続いていたが、今日は運良く雲こそ多いが、青空も時々覗くまずまずの天気だ。
 我々は、海沢コース、鋸コースの人々と別れて、越沢に行くべく奥多摩駅に行く。越沢組は全部野郎で、ザックの中味を想像すべくなく行動食は乏しい。
 駅に着くと生憎電車の便が悪く、古里までなので奮発してタクシーに乗る。一人当り金100円也、途中で以前越沢を遡ったことがあるという今村が、バッドレスより上流を重点的にやりたいと言うので、鳩ノ巣で降りる。我々は下流から遡行すべくそのまま古里まで行く。
 古里駅手前の製材所の所まで行ってタクシーを降り、製材所の脇から多摩川へ下り、古い方の吊橋にて川を渡る。渡ってからすぐ川に沿って上流に向うと、しぱらくで越沢の出合に着く。このところの悪天のため水量が多いのと、岩が滑るので、出合の所のへつりに少々手こずるが、それもすぐ平凡な河原になる。我々は右手についている道を利用して尚も上流に向かった。
 道がなくなり、沢幅も狭く少々廊下状になった所で沢へ降りる。右や左へ転石を利用して渡ったり、小さな淵をへつったりして遡行を続ける。一寸嫌らしい所は先を急ぐためみんな高巻く、この沢は規模こそ小さいが廊下状になっていて、へつりの連続である。しかし滝は少ないようなので、夏に海パン一丁でわらじをはいて遡行したら面白いだろうと、皆んなで話す。
 出合より1時間半ぐらいで、バットレスの下へ着く。上の方からロックの練習でもしているのだろうか、人の声が聞こえる。沢もここからしばらく上までが核心部で、あとは平凡なゴーロが続く。途中心細い昼食をとって、大分時間が遅れてしまったので先を急ぐ。
 ここからは2、3の滝があるのみで、単調な登りが続く。すきっ腹によけい長く感じる。詰めを御岳山目指してひたすら登り続けると、御岳と鳩の巣を結ぶ広い登山道に飛び出した。
 御岳に着くと直ぐ食堂に飛び込み、腹の虫をしずめ、やっと人ごこちがついた。しかし集合場所の大岳山まで行くことにする。
 大岳山まで1ピッチで行くのは厳しいが、大分時間をオーバーしてしまったので急ぐ。頂に着くと、他の全ての人は集合を完了しており、我々の到着を今や遅しと、たき火をして待っていてくれた。本当にお待ちどうさまでした。遅れて申し訳ありませんでした。
 山頂にて記念写真を撮り、御岳山目指して夕暮れの中を帰途についた。


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