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黒川山
今村 信彦

山行日 1972年3月12日
メンバー 今村、播磨

 前夜、最終便にて塩山へ。意外と空いている。他方面への登山者は、多少いたが、藤尾行バスは我々の貸切りとなった。柳沢峠に近づくと雪が多少見られ、北面はかなりあるようで不安だ。時間的にも遅く、先を急ぎたいのだが、バスは時間調整のため、峠で30分近くも止る。予定の滝沢は、藤尾橋より青梅街道の旧道に入り最初の沢だが、予想通り雪多く、時間的に不可能となり残念だ。
 残るコースは、落合第二小学校際から、横手峠に出る道だ。山林労働者がかなり入るようで、堅く踏み固められ、快適だ。これより黒川山へは尾根を巻くように、緩い傾斜のトレースが続くが、ひどくかったるい。雪もかなり降っている。短い距離だが、目標がわからないと余計長く感じる。黒川山の三角点は、道よりわずか上にある。展望台は、東へ約10分、二つめの岩峰だ。一つめの岩峰でトレースがなくなり、腰までのラッセルと薮こぎで達する。ここには、新旧二つの小さな祠があり、黒川谷へ岩壁が深く切れている。
 眼前にピラミッド型の大菩薩嶺、背後には奥秩父の主脈が見わたせるのだが、今回で二度共、視界ゼロ、全く残念だ。雪降る中をお茶を飲み、味曽汁を作り昼食とするが、ひどく寒い。早いとこ柳沢峠に出て、コーヒーを飲むのを楽しみに先を急ぐ。横手峠へ戻り、六本木峠を経て柳沢峠へ。ほとんど上下のない平担な道程だが以外とスムースに進まない。全く苦手なスキーでも、行けそうだ。日に二本しかないバスに間に合うように柳沢峠に着くがバスは不通となる。山の中の小屋にしては本格的なコーヒーを飲ませてくれる。夕闇迫る滑り易いバス道を裂石へと急ぐ。30分ほど行くと大型ダンプに便乗。今回の山行も予定通り行けなかったが無事に終りを告げた。

〈コースタイム〉
塩山(8:10) → 落合(11:10) → 横手峠(12:10~12:30) → 黒川山展望台(13:30~14:20) → 横手峠(15:00) → 六本木峠(16:00) → 柳沢峠(17:00~17:30)


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