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有間山
今村 信彦

山行日 1973年4月1日
メンバー 別所、野田、今村

 天気予報は、見事に外れ快晴だった。美男(?)が二人、よほど山の神様は気分を良くしたのだろうか。それにしても、こんなに良い山があるというのに、参加者が少ないのは残念だ。
 前夜、青梅線最終にて奥多摩駅へ。そしてタクシーで川苔橋へ行く。真暗な林道を塩地谷造林小屋へ向けて行くが、余りの眠気にたまらず、細倉橋でツェル卜を張り、夜明けを待つが、かなり寒く良く眠れなかった。だが快調なペースで塩地谷小屋を経て、日向沢の峰へ出る。朝の空気は、すがすがしく、またこの辺は非常に静かだ。ウグイスの鳴き声を聞きながら、ついのんびりしてしまう。日向沢の峰より、すぐ下に右へ棒の折山へ出る県界尾根があり、次の小ピーク手前に有間谷へ下る道標があるが、笹薮がひどい。そして、この少し先に、今日行く有間山への尾根があり道標もある。以前は、笹がびっしり茂っていたが、刈り払われており、約十五分で仁田山手前の鞍部に着く。右へは、仕間谷への道と道標があり、刈り払いは、この付近で終っていた。仁田山へは、猛烈な薮漕ぎとなる。踏跡が定かでない。余りの薮で今日の行程が心配になってくるが、山頂近くで、はっきりした踏跡に出る。山頂より踏跡は二岐となり、右を下る。タタラの頭まで、ほとんど背丈を越すスズタケの薮だ。この先は、笹は低くなりかなり歩きやすくなる。すると前方より一人の登山者が来るではないか。物好きな人が他にもいるものだと思って良く見れば、なんと野田さんではないか。昨晩は時間がなく、今朝出て来たとのことだ。我々とは逆コースを歩く野田さんと別れる。この先は防火帯の道で良くなるばかりだ。だが難所を過ぎた気のゆるみもあって、非常にかったるい。鳥首峠、名郷と道標完備で心配はいらない。名郷に着くとバスはすぐに発車した。飯能駅で電車を待つ間に、有間谷より下って来た野田さんと再会し、山行も無事終了した。

〈コースタイム〉
川苔橋(0:45) → 細倉橋(6:00) → 百尋の滝(6:45~7:00) → 塩地谷小屋(7:30~8:10) → 日向沢の峰(9:30~9:50) → 仁田山(10:40) → タタラの頭(12:20) → 鳥首峠(14:20) → 名郷(15:45) → 飯能(17:00)


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