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物語山(西上州)
小島 作蔵

山行日 1973年4月22日
メンバー 別所、川田、山本、稲田、春原、平、長崎、柴田、小島

 昨日、鹿岳を登り夕方になり雨が降り出したので、山中でのビバークは止めにして昨夜は荒船鉱泉に泊った。
 予定時間よりも1時間早く起こされ、変な目覚めである。宿の裏手の沢の音と、時折激しく降る雨音が入り混じる。暗い雨雲がせわしげに飛び交い気持ちが滅入る。
 それでも川田君達が一番バスで来るようなのでバス停(深山鉱泉)に向かう。
 バス停に着いた時、丁度バスが到着し、川田君御一行がバスから降りてきた。
 直ちに物語山の登山にかかるが、雨は依然として降ったり止んだりしている。
 一般ルート(林道)は下りに利用することにして、阿唱念沢にルートを求める。沢の本流をしばらく歩き尾根に取付くべく小さな枝沢にルートを求めたが、急な上に雨も激しくなり、途中の岩穴で雨宿りをしながら協議の結果、元に戻り一般ルートの林道を登ることにし、せっかく登った枝沢を一部ザイルを使って降りた。
 いくらも時が経っていないのに沢の水量が増加しているのが判る。元の林道まで戻ったが雨が激しいので、近くの林の中で木々の間にポンチョ等を張り雨宿りをする。
 雨が小降りになったので林道を登る。しばらく行くと雨も上がり太陽も顔を出し、雨で洗われた木々の新緑、所々に咲き乱れるつつじ、山吹が色を添えて実に綺麗である。秋の紅葉の山も綺麗だが今頃の山も綺麗である。
 山道を登ること1時間、頂上(実際の物語山の頂上ではなく、ちょっと離れたピークの上だった....これは帰りに判った)に着き、早速地図の読み方、アプザイレンの練習を行っていると再び雨雲が一面を覆って大粒の雨を降らせ始めたので、練習を中止して頂上を辞す。雨は通り雨ですぐ止んだ。下りは往路を深山鉱泉へ、初夏の眩しい太陽を浴びながら降りた。

〈コースタイム〉
深山鉱泉(7:30) → 阿唱念沢枝沢(引き返し点)(8:30) → 深山鉱泉(10:25) → 物語山頂(11:15~13:30) → 沢出合(14:05) → 深山鉱泉(14:35~15:49) → 下仁田(16:15)


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