山行日 1973年5月27日
メンバー (L)春原、庭野
只見線に乗り窓の外を見ていると、ひと月前よりも雪は少ないが頂上に雪を被った越後三山が素晴らしい。山間に入ると谷の両側がタニウツギの満開でピンク色に染っている。非常に見事である。
大白川の駅を降りてしばらく歩くと朝早くから湯気の立ったゼンマイを干していた。親指くらいの太さのゼンマイを見ながら非常に期待しながら歩き続けた。
しばらく行くとワラビが道の両側にチラホラ。春原さんと顔を見合わせ「とろうか」「うん」....。取れば取るほどある。ちょっと立ち止っても片手いっぱい。時間的にあまり余裕のない山行だったので、先を急がねばと思いながら立ち去りがたい。そのうちに二人共「絶対あっても見ないふりしようね」と固い約束。ところが5歩と行かないうちに太いワラビがニョキニョキ、心の中で戦いながら、今度だけ、今度だけ、と何度約束を破っただろう。こんなに採りたかったワラビも帰りとなると手が全々出なかったから不思議なものだ。
しばらくして急登、欲くばって採った背中のワラビやウドがやけに重い。尾根に出てからは頂上まで雪道、風の全くない非常に暑い日であった。"この日の反省として"残雪の山行には、登りは何もさしつかえないが、雪の尾根筋からの下り道がまるで判らない。登る途中で一緒になった人が山に詳しく、少し迷ったがすぐ下山路を見つけてくれた。我々だけだったら長時間迷う危険が大いにあった。