山行日 1973年3月11日
メンバー 今村、稲田、長崎、庭野
もう春なのに、歩いていると枯葉の匂いしかしない。電球を消すと本当の闇、となりの人も居ることさえわからない。歩いて出た汗と冷たい風がぶつかって肩やホッペタはすごく冷たい。林道を2時間以上も歩いてたら、サクサクと足の下に雪の音がしだした。もういい加減いやになりはじめた頃、笹子峠の尾根筋に登ってツェルトにくるまった。周りは真暗、ガタガタ寒い....。結極寒くてじっとしていられず明るくなり始めと共に起き出した。ツェルトから出てびっくり。見渡す限り花咲かり。霧が景色を半分解かして四次元の世界か童話の氷の国の中に来たみたい。木板をトンとたたくと、サラサラ、パラパラ、と霧氷が落ちてくる。雁ヶ腹摺山の頂上に着いた頃、もうすっかり霧もあがり、太陽が気持良い。櫓の上に立ってみると、山々が花咲かり。リンゴの並木道がそうであろうかと想像できるように、枯葉の落ちた道に沿ってスーと氷の世界が続く。日が高くなるとともに、木からパラパラポトポトと霧氷が落ち、休んでいる1時間くらいの間に、直射日光の当るところは花がほとんど散ってしまった。
今回の山行でもう一つ印象に残ったことは食料が物棲く豪華。朝は肉汁、昼は肉ウドンその他いろいろ、寒い朝の肉汁がものすごくおいしかった。
〈コースタイム〉
初鹿野(2:00~2:25) → 笹子峠の尾根筋(5:00~7:35) → 雁ヶ腹摺山(9:00~10:00) → 米沢山(12:00~13:05) → お坊山(13:50~14:10) → 大鹿峠(14:45) → 景徳院(15:45~15:50) → 初鹿野(16:30)