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湯久保尾根コース
長久 鶴雄

山行日 1973年5月20日
メンバー 宮坂、野田、播磨、渡辺(恵)、川田、長久(鶴)、長久(美)

 五日市に着いた時は懸念されたバスのストも解決していてわずかな遅れでバスが出た。小岩下車のつもりが何となく一つ手前でおりて仕舞い川に下り板橋で対岸に登って道に出る。軽く朝食を摂り里道を湯久保部落へと登ることになる。小さな沢を渡って湯久保尾根に取り付くが道が広く日射しが強くじっとりと汗ばんでくる。尾根の突端で小岩よりの道を合して山畠の間を親子連れと前後して高度を上げて行くとやがて部落の最奥だ。村の集会所らしき建物があってなかなかの眺望である。向いの浅間尾根が長々と延びて目夜見山、風張峠、三頭山が望まれ、北秋川の奥深く迄山里を縫う白い道、昔からある奥多摩の風景である。水神様につき当りここからやっと山道となる。地図上の1,000mの突起までは斜に巻いて登るようになるが宮坂老の植物の解説や8mmが廻ってなんとなく登りを忘れてのんびりする。尾根上に出ると大岳のドームが意外に近く正面にあり、唐松の新緑が鮮かである。わずかな味噌汁で昼食を摂り尾根道を登りにかかる、処々につつじの花咲く道を軽く上下して行くが尾根は灌木が繁って眺望が少い。やがて一応鞍部に下る手前で正面に御前山がどっしりと仰がれる。あと一登りと思うとなんとしても足が重い、この分だと1時集合に1時間以上は遅れそうだと思いながら休み休みとなってしまう。皆んなはドンドン行ってしまうし、上からはもう何パーティかの若い娘さん達が元気よく駆け下ってくる。「オヂーサンがんばって」馬鹿にするでないぞ、後にはまだ渡辺のおばさんいるんだぞ!頂上下のトラバース道に入ると朝口山の方から縦走路を行くハイカーの声が聞えてくる。皆んな頂上に着いているだろうと思い乍ら一服していると若いのに追いつかれた。問われるままにこの付近の昔話なぞしている内に渡辺おばさんにも抜かれた。縦走路に出るともう一投足である。ふーふー言っている鼻先に三角点の標石が見えて来てやれやれやっと到着と相成った。最終ランナーになってしまったがそれは年のせいではない。不断の心掛けの問題と反省してます。それにしても山頂付近を覆っている木々に30年の歳月をしみじみと感じる。

〈コースタイム〉
五日市(9:00) → 小沢(9:40~10:00) → 湯久保最奥(11:00) → 尾根上(11:50~12:20) → 鞍部(13:00) → 縦走路(13:40) → 御前山山頂(13:50)

下山路
 誰かさんに義理立てして雨がパラパラやって来たがすぐに上った。記念撮影は例によって大騒ぎ、3時出発栃寄に下る。8mmの監督が色々注文つけたりして避難小屋への道へ入り、小屋を過ぎるとぐんぐん下る一方である。この道は途中から地図上の道とは違っていて集落には入らず沢通しに一気に下る、わさび畠の間を通ってひょっこりと集落への広い道に飛び出す。ともかく下る一方の道は相変らず苦しいものだ。街道を20分も歩けばもう奥多摩のバス道である。長い卜ンネルを自動車のガスにむせながら抜け切った所にバス停がある。丁度全員到着と同時にバスが来て良い具合に早目に氷川に帰り着いた。

〈コースタイム〉
御前山山頂(15:00) → 尾根分岐(15:05) → 避難小屋(15:15) → 街道(栃寄)(15:50) → バス停(16:10) → 氷川(16:25)


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