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ボッカ訓練・本仁田山
安田 勉

山行日 1973年11月18日
メンバー (L)稲田、安田、松谷、真木、庭野

 11月17日夜、新宿を出発し、その晩10時20分頃、奥多摩駅に着く。最初の予定では、駅から歩いて30分くらいの琴平橋の下当りにテントを張る筈であったが適当な所がなくタクシーをつかまえて、駅前にある氷川キャンプ場へ行きテントを張る。今回のメインエベント(?)である「オデン」を作り始める。その間に後から来る事になっているメンバーを、松谷君が駅まで迎えに行く。そうこうしている間に庭野さんがやって来る。それからオデンを食べた訳だが、具が多過ぎて食べきれないのである。でもテン卜でのオデンも乙なものである。そうこうしている間に時間はどんどん過ぎ午前2時を回ってしまった。
 翌日起きたのは、当然寝坊して6時半頃になる(寝る子は良く育つと言うから、これで良いのだと、勝手に解訳する)。そんな訳で7時40分頃出発し、本仁田山登山口に着いたのは8時20分となる。奥多摩の登山道の特徴なのだろうか、極端に道がじぐざぐである。今回の山行の目的はボッカであるが、私のキスリングは皆よりも大きいくせに、何故か軽いのである。しかし私にとっては初めての重さであり、私にとってはボッカ訓練の意味があった様である?。
 2本目を取った所で当地のおじさんが、お茶を御馳走してくれて、寒い所での一杯はうまかった。頂上に着いたのは11時をちょっと前。本日は快晴。富士山はもちろん、江ノ島、新宿、果ては筑波山まで良く見える。山小屋の人の話によれば、こんなに見えるのは滅多に無いとの事である(運が良かったあー)。そこで記念撮影。360度のパノラマを楽しんだ後、予定通り川乗山へ向う。
 歩きだして、チビッコの一団と会う。声を掛けると、「オッス」と威勢の良い声が帰ってきて皆一瞬、圧倒される。大ダワの近くに来ると景色がまた、一段とスバラシイ。自然の美しさと共に冷たいオゾンを満喫しながら歩く。鼻歌が独りでに出てくる。今までは下り坂だったが、これからはまた登り坂であるが、そろそろ空腹を感じると共に、へたばってきた。皆一致して、「今何時デスカァー・ハイー昼飯時ヨォー」と、即、紅茶を沸かしてパクリツク。実にうまい。寒いが気持ち良い。川乗山頂上近く来ると、真直ぐに幅の広い道に出る。その道が二又に交差している所の草の上に、かかしらしきものが見える。人間なのかも知れない。全々動かない。メンバーの一人が声を掛けたが応答無し。あまりにも人間によく似たかかしであると思った時である。目蓋が動くではないか。こんな山奥に電動式のかかしが有る訳がない。聞いた事も無い。良く見ると、腕章を着けていて、山火事の番人である事が分った。我慢強いと言うか、寒くて動かしたくないのか、全く御神酒をあげて参拝したくなる様なおじさんでした。川乗山頂上近くの小屋に着いてまた、ビックリ。人・人・人・であった。皆思い思いに楽しんで御飯を食べている。
 ピークを後に、大ダワの手前まで下り、鳩ノ巣へ向って林道に入る。そろそろ林道に飽きて来た頃、眼下に、鳩ノ巣町が見えて、ホットする。帰りの車中では、三峰式トランプを教わり、楽しい山行であった。

〈コースタイム〉
氷川キャンプ場発(7:40) → 本仁田山登山口(8:20) → 本仁田山頂上(10:55) → 川乗山頂上小屋(13:30) → 川乗山頂上発(14:15) → 鳩ノ巣町着(16:10) → 新宿駅着(18:20)


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