私とパイプの出合は昭和34年頃あるパイプ党の人からパイプで吸ってみろと、ビリヤードのパイプ1本をいただいたのがそもそもの吸い始めで、いまでは自称パイプ党になりきっている。
その頃私が知っているパイプタバコの種類は桃山、日光、ベルモット、ハーフ、ボンドぐらいしか知らなかった。
最初の頃は紙巻タバコと同じに吸うために口の中が荒れ、何を食べても味が分からなくなったこともあります。一時はテレビ、新聞等で紙巻タバコを吸うとガンになる恐れがあると報道したためか、急にパイプ党が増え、その当時パイプタバコが手に入らないのに困ったこともありました。買える時に何ヶ月分もまとめて買い溜めしたこともありました。しかし、人のうわさも七十五日とか申しますことわざ通り急に増えたパイプ党も元の紙巻タバコに切り替える人が多くなったので、昔のようにいつでもパイプタバコが買えるようになりました。
私のパイプは年1本ぐらい買い、今では10数本になっています。また、銀座の菊水、デパート等でパイプの原木を買っては作ったこともありました。
ダンヒル、スリーB、シャコム等のメーカーがあります。パイプの主な材料となるのはプライヤーと呼びます(バラの根ではない)。ホワイト・ヒース(つつじ科に属する藻木)は、地中海の沿岸でイタリー南端部、ギリシャ等で長い年月の厳しい気象条件で育った根を使って作ります。パイプの型には色々と名前が付いています。
1. ビリヤード
2. ミリタリー
3. アップル
4. プリンス
5. カナディアン
6. ズル
7. ダニッシュ
8. ブルドック
9. ローデシアン
10. ローデシアンベント
11. ベント
パイプにはストレイトグレインやバーズアイがありますが無傷のものは大変高価なものになります。
私は普段、カバンに中に最低2本持って出かけます。吸った後パイプが熱い時には別なもう1本のパイプで吸います。私が吸うタバコは日本の桃山、アメリカ、オランダタバコ等で、イギリスタバコや日本で最近発売した飛鳥(イギリス系)は吸ってはうまいが臭いが強く周りの人が嫌な顔をするのでほとんど吸いません。
私が山に行くときは、ポケットに1本入れて行きます。山頂に行くまでの小休止の時に吸ったり、頂で青い空、青い樹々や山並みを眺め見て、ゆっくりとパイプで吸うタバコの味は、パイプで吸った人でなくては分からない味わいがあります。