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只見川大白沢キノクラ沢を行く
庭野 幸子

山行日 1975年9月13日~14日
メンバー 庭野、他5名

 私がこの話を聞いたのは7月のことでした。平ヶ岳へ行きたくて相棒探しに躍起となっている頃、昔よく一緒に登った田舎のチヨちゃんにTELしました。そしたら、田舎の会で9月に平ヶ岳へ沢登りがあるとのこと。それから担当者に猛然とアタックしました(こんなにアタックしたのは生まれて初めてのことかな?)
 そして2ヶ月、待ちに待った日、天気を心配していたにもかかわらず前日はいい天気、独りで夜行列車に乗りました。
 3時25分、六日町着、迎えの車に飛び乗って一路鷹の巣部落へと向かいました。凄い道とカーブのため、先週ザンザ洞で打ったお尻が痛い。
 大白沢に着いたのは6時半、天気は曇り、無事についていけるのかどうかを考えながら出発しました。
 皆んなの速いこと速いこと、必死になって息を切らせながらついてゆき沢に入る。午前中は大した滝もなくゴーロの中を行く。2時を過ぎる頃、大きな滝に出合う、どうしても登れず高巻きをする、高巻きに30分もかかる。それからが今まで滝の少なかったのを取り戻すように滝、滝、滝の連続で高度をぐんぐん上げてゆく。ツルツルする岩と腰までの渡渉とで非常に疲れる。
 4時、そろそろ幕営地を探さなくてはならない時間、ところがまだ小滝の真ん中もう少し行くことになった。水の流れが少なく非常に冷たい。詰めが近いだろうと思いながら笹藪の中の小滝を登り続ける。腕が疲れかったるくて仕方ない。
 突然目の前が開けた。なだらかな草地帯に出たのだ、水もあるし5時なのでここに幕営しようかということになったが少し急過ぎる。10分ほど歩いてややよい所に出た。5時10分幕営。
 翌朝、一面ミルク色の霧、昨日の冷たいニッカと地下足袋に履き替えて、7時平ヶ岳へ向けて藪漕ぎが始まる。8時、思ったより早く頂上に到着。突然ガスが流れ始め青空が見えてくる。今まで歩いて来た道もくっきりと分かる。素晴らしい草原だ、花の頃は素晴らしいだろうなあ....。
 下り4時間、カンカン照りのお日様に追いかけられてやけに暑い。夏の登り7時間はきついだろうなあ。
 今回の山行で感心したのはルート設定である。地図を見て検討しただけあって詰めが非常に良い。あの二俣でシロウ沢の方を登っていたら、物凄い急勾配の詰めのためににっちもさっちもいかなかっただろう。また滝が非常に多くあったにもかかわらず、直登できなかったのはたった一つ、そして1日で稜線まで上がれたこと、ラッキーなことばかり重なった。
 最近特に感じることで、女性は本当に沢や岩には向かないみたいだ。コンパスが短いため足が届かない所が出てくる、人が太腿まで水に浸かれば私は腰まで浸かる、腕力がないため重荷を持つともう体を上に持ち上げられなくなる(重いせいかな)等々、自信喪失をしてしまいました。


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