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天狗山~男山
岡田 敏子

山行日 1976年4月25日
メンバー (L)長久、野田、久山、稲田(由)、稲田(竹)、岡田、下司

 不安と期待の織り交ざった初めての山行は小淵沢駅での白銀の甲斐駒の幽遠な姿に迎えられてスタートしました。7時過ぎ信濃川上駅着、バスはストのためストップ、1時間近く車道を歩いた。車道と言っても車が時折通るばかりの静かな道でした。2、3先行パーティがいたが私達はラストで歩いた。登山道から農道に入って一本つけた頃は天狗山が目前に見え、抜けるような青空になり唐松の柔らかい色とマッチして憩に心が和んだ。
 途中、雑木と茨の絡み合った中を直登したり斜登したり、岩をへつったり、バラの棘で少々手の皮を切ったけれども私にとっては初めての藪漕ぎで只ひたすらに頂への憧れに惹かれて足を運んだ。
 12時10分、天狗山頂着。西方に男山、その前方に八ヶ岳、左に奥秩父金峰山、瑞牆山、小川山、東から北には重量感あふれる御座山。爽やかな空気の中で昼食、1時15分素晴らしい稜線の美しさに名残惜しみつつ男山へ向かった。痩せ尾根の岩また岩で途中道が切れ、また岩を登ったりへつったりして登山道に出た。2羽の小鳥が自分達の春を歌い上げていました。可愛い声に聴きほれながら3時20分男山に着いた。
 男山は案に違わず八ヶ岳の展望台で惜しみなく全容を展開し、好天下の大展望を思う存分満喫した。電車最終時間が5時30分とのことで頂上は5分で下山。ガレと雑木の中を走りに走って工程時間を30分近く早く着いた。
 野田さん、久山さんの足の速いこと、速いことビールに釣られてだろうと冷やかされながら走っていた。それにしても昨夜は手慣れたもので久山さんが席を立ったと思ったら両手にワンかぷを抱え、あれよと思う間に宴会を始めたあの速さになるほどと納得した。5時駅着、30分程時間があり乾杯のビールの美味かったこと!!千鳥足で電車に乗った。
 帰りの小淵沢駅ではもう雲に隠れて甲斐駒は見えませんでしたが、あの大自然の素晴らしさを自分のものにできる喜びのために、また山に行こう....私の心にまた、宝が一つ増えた。
 皆さんに気を使っていただき終始笑いに包まれた初めての楽しい山行きでした。


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