トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ229号目次

プロローグ

 昭和8年。三峰山岳会創立の年である。たかが道楽の集まりでよくも続いたものと思う。数年前に発刊された創立40周年記念号の年報三峰にその辺の会の歩みが記されている。その時々の若者たちの活動を見るにつけ、その時代をいかに維持し継続させてきたかを考えると、その無限のエネルギーに驚嘆せざるを得ない。また、その流れの奥底には長久、宮坂両氏の並々ならぬ努力と愛情が感じられ頭が下がる思いである。しかしながら、長い会の歴史の中に海外遠征や華々しい初登攀の記録があった訳ではない。一時期、「登研部」が設立され、アルペン的志向が強くなり、会のレベルがかなり高かった時代もあったという。大体において三峰カラーは伝統的に脈々と根付いているように思われる。その山を楽しむという三峰の原点は貴重であり決して我々が我々が忘れてはならないことである。しかるに、現在の会のあらゆる意味での沈滞振りは一体何に起因するのであろうか、この危機を乗り越える一つの思索の場をこの小冊子が提供できれば幸いである。


トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ229号目次