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中房温泉~燕岳~餓鬼岳

山行日 1976年10月9日~11日
メンバー (L)今村、稲田、久山、北林、中村、春原、木村、林田、山柴田、下司

 この山行原稿は異例ですが参加者全員が協力して一言ずつ記してみました。

リーダーおや分
今村

 その内、いつかは登ってみたいと思っていた山。その山へ登ってしまうと、また一つ終わったというホッとした気持ちと同時に、終わってしまったという寂しさとが残る。
 静けさを存分に味わおうとしたが得られずそして、餓鬼岳そのものは期待したほどの山でもなく魅力に乏しいが、現在では失われつつある雰囲気の良い山小屋があり、小屋のおやじがいる。その良さがこの山に人を人を引きつけるように思う。

ケラ子さん
春原

 「いい山だ」と誰もが言うけれど、私もまた、これから行こうとする人には「ほんとうにいい山ですよ」と言おう。行ってみなければそれは分からない。長い樹林帯を抜け出て初めて私達は知ることができる。隠された宝物を発見したような、真珠のような山稜。松の緑、落葉松の黄、紅葉の錦をまとった素晴らしい岩峰群が続いている。歩かなかった稜線が、餓鬼岳小屋の方から見ると、憎いまでに気持ち良さそうだ。またいつか行ってみたい山である。

ザイル一本君
久山

 静かな山だと聞いてましたが、わりかし沢山の人が来ているのでビックリした。でも賑やかな北アルプスの山々の中では確かに随一の静寂境のような気がする。何となく行って良かったと思った。
 今度行く時はザイル1本持って「中沢岳」を歩いてみたり、唐沢岳へも足を延ばしてみたい。

ジフィーズ恐怖症
中村

 「餓鬼岳」この変な山を知り、いつか登ろうと思いながら3年が過ぎてしまった。それが三峰山岳会に入って最初の山行で登れようとは、それだけでもう満足、満足。
<1日目> 10月9日
 雨の中を傘をさしながら、とぼとぼ登ること6時間余。やっと燕の幕場。もう、びしょびしょ。
<2日目> 10月10日(体育の日)
 晴れそうで晴れない。登り下りの道を憧れの餓鬼岳を目指してひたすら歩く。まだかなあー。
<3日目> 10月11日
 ついに餓鬼岳登頂。ばんざい!!急いで長い長い下りを信濃常盤へとぐんぐん下る。何と8時間。もう、うんざり。
 最後に反省を一つ。ジフィーズを美味しいと思えるようにならなくちゃ。

おわんドロ公
北林

 中房温泉から登りが始まったが前夜からの雨と眠い体を無理に元気づけながらやっと合戦小屋に辿り着いて食事を摂った。燕山荘のキャンプ地で第一泊したが、相変わらず空もようがはっきりせず少し心配であった。行動に移ってみると時折り晴れ間も見せてきたが、雨がないのは大助かりである。燕岳を往復してから一度東沢乗越まで一気に下り、また登り返すと中沢岳の巻道から剣ずりの難場に出て、適当な高度感とスリルを味わいながら登り続けて、第二泊目の餓鬼岳小屋に無事に着くことができました。途中で何度か腹の白い雷鳥に迎えられたり、雲が多めで展望はあまりありませんでしたが今年になって初めての雪の乱舞に心配したり楽しんだり結構面白く目をみはらせました。餓鬼岳山頂では多少風が強いながらも、遠望を雲間越しに楽しみました。頂上を後にして白沢への下りになる頃からは、危険を感じる所も多少あり、悪天候や疲労が激しい時には特に注意することが必要かと思われますが、ともかく無事にこの山行を終わらすことが出来て、嬉しく思うと共にやったという充実感でいっぱいでした。

食いしん坊
下司

 何しろ美味であった春原流サラダ。先ずキャベツは細かく千切りに(これは刻むのが得意な今村先生にお願いする)、きゅうりも細かく輪切りに、刻んだものは順次鍋に入れ、次に何の取り柄もない人が、ギコギコ、スイートコーンとシーチキンの缶詰をこじ開ける。スイートコーンのお汁は天幕より手を出して外に捨て、シーチキンのお汁はサラダオイルが使用してあるから、共に先程の鍋にぶっ込む。次は、一番の食いしん坊さんが塩を味見しながら振りかける。後は混ぜ合わせるだけで、はい美味しい美味しいサラダの出来上がり。
 餓鬼岳山行での収穫はそのトップを飾るものでした。あれ以来、何かにつけて登場するのがこのサラダですが、アスパラガスを入れても美味しいようですよ。

天幕好き子ちゃん
木村

 餓鬼岳ー妙に怖い名前。だけど来た来たやっと来た。唯々自己満足に浸る私。


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