トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ232号目次

丹沢・三峰山
島田 兆子

山行日 1977年2月20日
メンバー (L)野田、稲田、久山、林田、島田

 2月20日、寝起きの良くない私はむりやり林田さんに起こされ少々不満気味。家に帰って寝直したい気持ちだったが、しょうがなく渋々渋沢へ。
 天候にも恵まれ今年4度目の富士山も今日はどこかやさしく、田舎の岩手山を思い出させる、左手に富士山を見、黙々と大倉尾根を登る。どろどろの土をくっつけて履き慣れない靴がとても重く憎らしく思う。そんな時、前に来た時楽々登った時の自己催眠を思いつき、自分で「いち、に、さん、し、に、に、さん、し」と口ずさみ、あっという間に花立「やっぱり大倉尾根って大したことないや」と自己満足する。空は吸い込まれそうな青さ、そして暖かな陽気、塔ヶ岳では風が冷たくて30分の休憩を短縮してすぐに丹沢山に向かう。丹沢山の頂上は思っていたより雪も多く、風はなくてぽっかぽかして昼寝をしたい気分に誘われる。もし一人で来ていたなら三峰などには行かず、ウィスキーでも飲んで鼻歌でも歌い、昼寝をしているのに残念でしょうがない。皆んなはスイスイとスキーを滑るように下るがバランスの悪い私はキャーキャー言いながら尻餅をつきつき尾根を下る。「あーあーなんて私は不器用なんだろう」と自己嫌悪にかられ、滑りながら降りたいが仕方なくお尻だけで下ってしまった。睡眠不足の私は1時間半も歩くと上のまぶたと下のまぶたが仲良くし始め半分眠りながら歩いていた。
 下るだけだからと楽に構えていたら、何と長いの長いの下りだけで4時間。途中から久山さんの美声で歌が始まり長い下りもどうにか短くしてくれた。宮ヶ瀬に着いた時は嬉しくて嬉しくてビールで乾杯したい気分だったが、本厚木の赤ちょうちんで一日の締めくくりとした。


トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ232号目次