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大菩薩・日川尾根(古部山~宮宕山)
今村 信彦

山行日 1977年1月30日
メンバー (L)今村、野田、馬場、島田、城、松本

 自称、第2回お山の学校。地図を片手に一本の道標もない山へ、自分の計画したルートに沿って歩くことは楽しい。道標があろうがなかろうが、自分を惹きつける山はそれでいいのだが、地図、道標、ガイドブック等、全ての資料が揃っている山などたとえ規模が大きかろうが、未知の部分がまったくないなど興味が薄くなってしまった。
 前夜21時発、甲府行きにて初鹿野下車。改札を出て右へ10mほど進み、また右へ(東京方面)甲州街道へ出る一軒手前の道を左へ入る。途中、車道の二俣を左へ、すぐに大志戸林道起点とあり、それよりわずかで神田橋を渡り林道終点まで駅より30分ほどの道のりだ。今日はここでツェルト泊り。水もあり快適な泊り場だ。これより丸木橋を渡り右岸沿いの道を進み20分ほどで植林されて間もない明るい尾根を松の木目指して登る(道なし)。尾根上まで2、30分。踏み跡もあり快適な明るい尾根だ。今日は時間的にも割合と余裕あり、展望が良いからといっては休み、日当たり良く暖かいからといっては休み、何かと口実を作り行動より休憩の方が多いようだ。心配していた天気も何とかなりそうだ。かすかに見えていた南アルプスや富士山も時間が経つに連れてよく見られるようになり、八ヶ岳、金峰山、国師岳もはっきり望まれるようになった。今日第一の目的地、古部山は気づいた時は通り過ぎてしまい、1412m付近の尾根が少々分かり難いが難なく通過。四ツコンバ付近、皆伐採され以前の面影などひとかけらもなくなっていた。宮宕山まで実に順調でちょっと物足りない感じもしないでもないが、カラマツの小枝がうるさい尾根を大滝不動目指して下るが、三角点1306mより踏み跡もはっきりしてくる。右に大滝不動と凍結した滝が見える。途中、甲斐御岳山という展望の良い、鳥居とオリエンテーリングの標識のある小山に着く。これより左右に下山路らしき立派な道があるが、なるべく短距離にと直進するが林道により山肌を崩され危なげな木の根頼りに下る。大滝不動より一直線に下る旧道は形跡もなくザイルのない我々には今のような崖下りをする余裕もなく坦々とした林道を勝沼駅へと向かう。
 この崖下りで中には殺す気かと恨まれた人もいるかも知れませんが、普段のトレーニングで味わえぬ緊張感があり、お山の学校としての良き体験になったものと思います。たかが低山の藪山だと馬鹿にせず、日頃から岩の初歩的なトレーニングなど大いに励みより素晴らしい山へ共に行こうではありませんか。

〈コースタイム〉
林道終点(7:45) → 尾根上(8:40~8:55) → 古部山付近(10:00) → 昼食(12:40~13:45) → 宮宕山(14:15~14:35) → 甲斐御岳山(15:40~15:50) → 大滝不動(16:35) → 勝沼駅(17:30)


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