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その4 私のパートナー
庭野 幸子

 私は非常に淋しがり屋です。それでいて人見知りをしてしまう、そのためどうしても単独で山へ行く気がしなかったものです。
 一緒に歩いていて「あの花が綺麗だ」「お腹が空いたね」「疲れた!」などと、一言話す相手がいるだけで気持ちが休まり孤独感が癒される。
 いつも一緒に行っていた春原さん、平さんなどは私の最良のパートナーでした。気心が知れ(但し、それまでに3年くらいはかかりましたが)、体力は案外揃っていて、そして足並みも揃っている。それに一番良かったことは行きたい山が似ていたということです、三人が三人共うるさい所が嫌いで人数の少ないあまり目立たない静かな山が好きでした。春になると上越や会津の山々を荒らしたものです。そんな素敵なパートナーがいるので、なおのこと一人で行くことに気が進まなかったのだと思います。
 二人、三人というのは多勢と違って単独行に近いのかもしれません。大人数で行くと仲間同士で集まって他の人との間に壁ができてしまう。それに比べ二人~三人で行くと必ずと言っていいほど楽しい思い出ができました。
 単独でも行かなかった訳でもありません。一人で行く時は自然との触れ合いや他人との触れ合いが、また違ったものになってくるみたいですね。


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