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白馬岳 ー 初めてのアルプス
関 裕子

山行日 1977年7月23日~24日
メンバー (L)久山、島田、関

 7月23日 晴れ
 リーダーは優しそうな久山氏。メンバーは個性豊かな島田さんと入会に気持ちの傾く私。行く先は白馬岳から鑓温泉へ下る白馬三山一巡り。私にとっては初めての北アルプスでした。
 白馬小屋を過ぎると雪渓が目の前に広がり夏スキーを楽しむ人が目に入る。心配で買ったアイゼンに目を移し「アイゼンを付けなくては....」「まだ大丈夫」のリーダーの声でアイゼンをザックにくくり付けチャリンチャリンと音をさせながらこわごわ登る。島田さんを先頭に長い人の列の後に続く。憧れの雪渓に人の列がアリの大移動さながらに続く。長い大移動は交通渋滞をおこし進んでは休みの初心者ペースである。葱平で大休止。熱い紅茶で寒さを凌ぎお花畑へと向かう。黄色のお花はシナノキンバイ。白いお花はハクサンイチゲ、コバイケイソウ....かな。残りのお花はミャマ....草。花の名前を知っているならばと残念な気持ちのまま進む。今夜の幕場、村営小屋が見える。しかし、もう足が進まない。後5分とないのに、根性なしと自分を叱る....が、もう嫌!。
 ゴツゴツ岩の上のテントでも天幕の中は我等の世界、テントで夜を迎えるのは早池峰山に続いて2晩目である。夕食後、テントの中は美味しそうなおつまみにジョニ赤が鎮座し我等を誘う。この夜のために登ったのであろうか。イヤ、考えまい。メンバーは名うてのアルコール愛好家に話しの泉を持つ若き先輩達である。周りのテントが寝静まっている中、肘枕で話は続いた。
 昨夜耳にした三峰会員の勇猛果敢な話が朝の目覚めと共に思い出された。白馬頂上は踏まねばと眠い眼をこすりながらテントを出る。辛い、足が上がらない。両側のお花畑はウルップソウ、シナノキンバイ。頂上は既に夜も明け槍、穂高が雲上に浮かぶ。記念写真をパチリ....。
 右に左にコバノツメクサ、ミヤマリンドウ....の花をめでながら緩い起伏の稜線を進む。初めて目にする這松?の緑と残雪の白の織りなすコントラストに心を奪われる。「来て良かった!」
 アイゼンを最後までザックにぶら下げ今回の山行を終える。
 終始、ゆったりしたペースに合わせていただき、山行の楽しさを身をもって教えてくださったお二人に感謝をしております。三峰の会に足を踏み入れることに致しました。よろしくお願いいたします。


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