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春の集中登山 丹沢不老山 ヒイチ沢コース
北林 成介

山行日 1977年5月23日
メンバー (L)久山、松谷、鈴木(隆)、木村、北林

 今回の集中登山は尾根コースに参加しようと決めていたけれども久山君より電話があって、沢コースに同行するように誘われた。大変難しい沢と聞いていたので戸惑いがあったが、少しばかり煽てられたりしたものだからその気になってしまい、おまけに不得手な山行報告まで仰せつかり、こうして考え考え文字を並べている次第です。
 前夜発の我々三名(久山、鈴木(隆)、北林)は予定通り電車に乗ったのはよいけれど、途中からだんだん様子が変わってきた。目的地の新松田駅にビバークするには少し時間が早いなどと理由をつけて、早々に相模大野駅で途中下車と決め込む。そのまま委員長宅に押しかけていきビールを酌み交わしながら山の話や雑談に時を過ごしてしまう。突然なことで迷惑であったろうと思います。稲田さんごめんなさい。けれども楽しいひと時でした。
 さて本題の沢コースですが朝一番のバスで山市場まで行き、吊橋を渡ると尾根道と沢筋に通じる分岐に着く。我々は左側の小路に入りそのまま川に沿って少しばかり行くと右から小沢が流れ込んでおり、そこに最初の滝口が目につく、それがヒイチ沢の入口である。始めの滝は取付きも悪く左の巻道を登りそこで身仕度を整える。いよいよ本格的な沢登りとなる?はずであったが、登るに従って水量は思ったほど流れておらず平凡な沢筋を進んでいくとF2、F3と続きF4の滝を万一のことを考えてザイルで確保して登る。水流も細くなりブッシュと倒木が行く手を遮るようになる。おまけに崩壊土が現れてくると落石の音が所々で聞こえるようになり、次がまたブッシュと続き大変荒れた沢になっているようだ。こんな状態では沢登りとしての興味もなくなってしまい左側の尾根に向かって取付き、小さい踏み跡を頼りにしながら藪を漕いだり四つん這いなって這い登りして苦しい登りを続けた。鈴木隆君が途中で二度ほど沢登りならぬ木登りで方向を確かめながら奮闘の結果、大してルートを外さないで進み、縦走路も近づいてきた頃、尾根コースの中村隊より「猛登」「モートー」のコールがかかる。こちらも三人が一度に声を出してコールに応えると再び登り始め、程なくして尾根道に飛び出した。一足先に不老山頂上に着き一休みしていると、各方面から登ってきた参加者が集まり一杯やりながらおでんをぱくつき、わいわいがやがやと楽しいひと時を過ごす。記念写真を撮ってから全員無事に下山とあいなり良い一日を楽しみました。また山本(義)さんの日本ダービーが大当たりして今回のおでんを全部負担してもらいました、ごちそうさまでした。


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