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夕日岳から帰って
島田 兆子

山行日 1978年3月10日~11日
メンバー (L)江村(真)、島田、川田、浅野

 暫く振りで家から逃げ出したのはいらいらしていたから、こんな狭い箱の中に押し込められて....。山から遠ざかってもうどれくらいになったかしら、あんなに雪を見たのも今年初めて。朝、目が覚めたらテントの外でパチパチ焚き火の音が聞こえたのよ。焚き火なんてもう忘れていたのに....。夕日岳までは道もなく、途中には炭焼の跡もあり、山って今では帰れない田舎を感じさせるのね。
 2~3日前に新雪が降ったらしく、ちょっと登りにくい所もあったけど、怖いながらもスリルがあったわ。サクサク雪を踏む音も忘れていたの。キラキラ舞う粉雪があんなに綺麗だなんて....。暫く振りではしゃぎ過ぎたせいかしら、家に帰ったら何もする気がしなくってもう夢の中にいたの、また行きたいわ。粉雪の舞う誰もいない山へ。でももう今年はおしまいね。


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