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朝日連峰
鍵山 京子

山行日 1978年6月8日~11日
メンバー (L)久山、佐藤(孝)、須貝、鈴木(一)、鍵山

 古い山行で恐縮ですが、朝日連峰のことを書いてみます。
 6月8日、頼もしい男性4人に紅一点、左沢を出発。バスは宮宿で乗り換えだが、ここから小型マイクロバスに乗る。人数が集まれば左沢からタクシーに乗ったほうが良いとのこと。朝日鉱泉まで行かず白滝から狭い林道を歩く。次第に山道に入り大分登った頃、小さな幕場に出る。雪解けの水が流れていて水芭蕉が咲き、ここで記念写真をハイ、パチリ。この辺からカタクリの花が見られ私の狂声に度々道草を食うことになる。
 ようやく辿り着いた鳥原山はなんて素敵な所でしょう、ここの鳥原小屋も綺麗で申し分ない。早々と寝込んだ一利さんを抜きにしばらく外で合唱をする。久山さんがシーハイルの歌が好きというのを初めて知った。鳥原ホテルは1泊500円。私達は料金を払って第2日目、出発。小朝日岳から大朝日に向かう尾根での強風には飛ばされそうでとても困った。昨日に比べて展望は良くないけれど、大朝日の小屋に荷物を置いて証拠写真を撮り大朝日岳を往復。大朝日の小屋では先客から竹の芽(?)の入ったスープをご馳走してもらう。温かく美味しかったこと。金玉水と呼ばれているらしい所の雪で水を汲み、後ろを振り返り振り返り、大朝日岳と別れる。さようなら、2日目のホテルは竜門小屋。ここも立派で、写真で見るとおとぎの国の家みたいで住心地は良さそう、すぐ近くに夏になればお花畑になりそうな湿原があって白い桜草が数本咲いていた。3日目は大鳥池に向かって出発。寒江山を過ぎて狐穴小屋には用がないのに寄ってみる。小さくてあまり綺麗じゃない。
 次の以東小屋はもっと小さいホテル、この付近もお花畑になりそう、以東岳では珍しく数人の人に会う。大鳥池は以東岳から眼下に見られ、暗い水面を湛えている。道は二つ、尾根伝いと大鳥池を目指してまっすぐに降りる道。私達はもちろん直線コース。雪があったし、格好良く持ち歩いたピッケルがここでようやく役に立つはずだったのだから。結果はさておき雪に埋まった枝にマンサクが花をつけていたり、いたる所にカタクリの群落があったりで大満足。
 後で聞いたのだけれど、カタクリのおひたしは美味しいだって、残念。大鳥池に降りてきた道は川で寸断され橋が消え失せているので冷たい水の中を渡る。水遊びしているみたい。ようやくのこと大鳥小屋に着く。大鳥小屋は釣りをする人達が多く泊まるところとのこと。先客は既に酒宴の時。4日目いよいよ里に降りるのだけれど、吊橋があるというから大喜びしたものの壊れていて迂回路ができている。つまらない。それでも二つばかり面白い橋みたいのを渡ってから林道が出来ているけれど「通行止」の立て札の立っている所を横目で見ながら急な登りにかかる。最終日のこの道は全体的に悪く時間のかかる道だった。あの「通行止」の林道は、何事が起こっても当局が関知しないなら歩けるとのこと、今度朝日へ行く人はどうぞこの道をお使い下さい、どうもお疲れ様でした。


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