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尾瀬沼から奥鬼怒へ 奥鬼怒林道
鈴木 一利

山行日 1979年10月6日~7日
メンバー (L)鈴木(一)、百田

 夏の暑い日々、クーラーとビールに明け暮れしたが、そろそろ山に秋の気配が訪れると心が山へ山へと向かいだし夏休み明け二度目の山行となる。
 相棒は百田君と小生の二人、先ずは沼田にて白タクに拾われて大清水へ、車中白タクの運チャンからリンゴの差し入れ、小生気弱なため1個、相棒は2個。
 大清水から一路尾瀬沼へと歩き出す、まだ夜も明けず尾瀬沼へと足は急ぐ、三平峠から長蔵小屋へその頃からシトシトとくる中を緩やかな小渕沢田代への道をゆく。天気さえ良ければ広く開けた小渕沢田代から日光連山が見えるはずだが本日は雲天のため、ダメ。
 足は健脚6時間という奥鬼怒までの道を急ぐ、熊笹の生い茂る道を登り下りしながらゆく、ガイドブックに赤安山西の鞍部に水場と林道ありというが、2時間たっても現れず地図を見ながら内心少々焦る。
 ガイドブックとこの地図でどっちが違っているんだ?と。間もなくすると黒岩分岐と道標がある、やっと一安心で大休止、黒岩への道はヤブもうるさく倒木もひどそうなのであえて登らず縦走路を行く。
 緩やかな下りで黒岩清水の水場、テントが1張りぐらい張れる場所に出る。このコース二度目の水場、小松原湿原分岐の水場で冷たい湧き水を咽いっぱい飲む。後はさしたる登りもなくピークをトラバースしていくルートでのんびりムード、地図を広げては2万5千分の1はさすがによく分かるなどと、自分達の居場所を地図で見ながら歩くうちに奥鬼怒湿原に入っていくと避難小屋もあり今までの縦走路とうって変わって広々とした湿原の中の木道を歩く。
 辺り一面木の葉も紅葉して、これで天気さえ良ければと思うのみ。日光沢温泉から湿原見物に来た人に聞くと温泉の客が多く相部屋でも泊まれないかもという話に急いで下る。うまく相部屋ではあったが取れ温泉に浸かりのんびりと翌日の根名草山~金精峠への道を思いめぐる一時を過ごす。
 翌日は前日より雨が強く出発を1時間遅らせ天気予報を聞くと台風18号が八丈島を通過の予定とか、雨の中歩くだけでは面白くないと下山を決め込む。夫婦淵の途中、道の脇に温泉が湧き出している所を見つける。
 百田君は小屋でも造るかなどと元気、元気、もしかしたら歩き足りないのではと思う。
 夫婦淵からのバスの中でナイーブな小生気持ち悪くなり、百田君が話しかけてもブスッとして生返事。でも良い山行でした。
 来年の紅葉の時期に根名草山~金精へと歩いてみたいと思う、今回の山旅は終わりました。

〈コースタイム〉
10月6日 沼田(2:30) → 大清水(3:45) → 一ノ瀬(4:30) → 三平峠(5:30) → 長蔵小屋(5:45~6:30) → 小渕沢田代(7:10) → 黒岩分岐(9:30~45) → 小松原湿原分岐(10:20) → 日光沢温泉分岐(12:00) → 日光沢温泉(14:00)(泊り)
10月7日 日光沢温泉(8:00) → 夫婦淵バス停(9:00)

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