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勘七ノ沢
野口 孝司

山行日 1979年7月8日
メンバー (L)浅野、久山、佐藤(孝)、中山、宮坂、堀田、野口、他1名

 O.B会として7月1日に勘七ノ沢を6人で予定していたが天候が悪いため8日に変更したところ、ルームで例会として計画しているのを知り同行をお願いした。
 天候は曇りながら厚木を過ぎる頃は大山も良く見え、今日は絶好の沢登りと思ったが予報では気圧の状態が不安定であると報じていた。このような時、丹沢はよく雨に降られることが多いので少々心配だ。
 渋沢から大倉へ、ここで鈴木竹さん差し入れのビールを分配。尾根道を行き花立で合流する予定の宮坂氏と別れ一路勘七ノ沢出合へと急ぐが沖は暗くガスが濃い。
 出合で各々身支度、皆は渓流用地下足袋だが私と堀田氏は素ワラジとなり水の感触を楽しむ。
 小草平ノ沢(木地小屋沢)を右手に見て先ずはF1/5mに到着、ホールドは良くないが全員直登。この頃から心配された雨が降ってきたが、ここまで来た以上引き返すのも残念と続行と決める。F2/4m、F3/7mと快適に遡行すると二段に落ちるF4/10mに出る、下段上段と若干飛沫を浴びながら直登すると上部は堰堤の連続となり右に左にと乗り越えてしばらく行くと勘七ノ沢最大のF5/12mになる。先行パーティがザイルを使って直登していて時間がかかるのでここで遅い昼食にする。佐藤君持参のメロンが美味しかった。
 さて食後、私と堀田氏は直登を諦め右岸を巻いて落口で待っていると浅野君がトップで上がってきた。3人で残置してあるハーケンを探し出し浅野君が身を確保してザイルを投げるとやや重の久山君がよたよたと上がってきた。次は紅一点の中山さん、なかなかバランスが良い、ラストが佐藤君、この時から雨足が激しく最悪の状態となる。
 上流は廊下で小滝の連続となる、途中の1ヶ所で佐藤君がスリップして釜にドブン、胸まで水に浸かったが沢の水は冷たいと言っていた、写真を撮るからビテオをやってくれと言ったら逃げ回っていた。
 やがて二俣で右に入り途中から草付きに取付き藪漕ぎの末縦走路に出る。4時全員でビールの乾杯、小休止の後、花立小屋を訪ねたが宮坂氏の姿はなく、きっと待ちくたびれて先に下山したのだろう。
 雨中の馬鹿尾根の下りはきつい、直下降、全制動回転、尻制動と泥まみれになっての奮闘で大倉着6時30分、渋沢駅前の食堂で濡れて冷えた身体を腹から温めようと衆議一択。
 私の沢歩きは20年振りで昔は山行といえば沢が多かったのだが寄る年波には勝てずアンバランスの孝ちゃんに成り下がりました。しかし、これに懲りず少しずつリハビリテーションを行う考えなのであしからずご同行願いたい。
 尚、宮坂氏は大倉から水無川沿いの林道を行き、戸沢出合にある本谷山荘の横から源次郎尾根に取付き、花立着2時30分、しばらく待っていたが雨が止みそうもないので先に下山したとのことであった。何より無事で合同山行を終了できたことは意義がありました。


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