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新年山行例会報告 はじめに
川田 昭一
山行日 1980年1月20日
メンバー 鈴木(竹)、小堤、渡辺、原口、別所、山本、播磨、川田、鈴木(一)、北林、伊藤、林田、杉野、江村(真)、江村(皦)、田原、岡部、広瀬、相沢、久山、他子供4名

 三峰の年間行事の一つであった忘年山行を新年山行と名前を改め、年が明けて早々(1月20日)、24名の大人数で鹿沼の二股山で行った。二股山はこの日、三峰山岳会の貸し切りとなった。
 頂上では老いも若きも合わせ初春の陽溜まりの中でトン汁に舌鼓、さながらトン汁山行になった感じ、これから名前を変えてみようかと....。
 今回この新年山行報告についてはOB会員の小堤さんにお願いしました。

新年山行・二股山
小堤 正雄

 久し振りの東武浅草駅は1月というのに結構賑わっていた。昨日の天気予報で確か小雨か小雪模様ときいていたが、全くの快晴に恵まれてホッとする。9時10分発の車中もゆっくり座れて約1時間半新鹿沼に着く。待っていたバスに乗り賑やかな街並みを抜けて程なく上坪で降りる。右後方には大谷石らしい石を切り取った山肌が荒々しくそそり立っていた。少し街道を進み左へ林道に入る。我々だけの静かな山踏みである。今まで我々の左側にあった小沢の小道を見つけていよいよ山道に入る、大した急坂もなくその上雪もなく足は快適に進む。テレビの中継塔が見えてくるともうそこが二股山の第一峰だった。名の通り一旦下だった向こう側に第二峰がそそり立っていた。サア此処で大休止大新年会である。先発隊のご好意で豚汁の準備が着々進む。折から北方の山間の向こう側に男体山の姿が一際立派に見えていた。数名の希望者がよちよち岩峰の左を最低鞍部へ下り立ち、木の根やつる草に掴まって三角点のある第二峰に辿り着く。眺めは第一峰と大して変わりなかった。同じ道を同じように登り下りして第一峰に帰り着く頃、温かい豚汁が待っていた。心づくしのお神酒もいただき大焚き火を囲んで豚汁を食べていると昔、食糧難時代に薪まで頂上に運んで作った些やかな鯨の汁の忘年山行がふと思い出された。何と今の時代の良いことよ。
 すっかり満足満腹し後始末を十分にして3時前に出発する。登ってきた道を少し行き、右に折れてから送電線の下を降りる。とにかく5つ6つの子供も一緒に下だっているのだから大した急な下りではない。また左へ曲がって畑が見えてくるともうそこは街道筋だった。さすがに3時を過ぎると山間の里は冷え冷えとして今までの汗がいっぺんにすっ飛んでしまった。予定より早く着いてしまったのでハイヤーを頼んでもらい新鹿沼の駅に着いたらこれも1時間早い電車が丁度来るところだった。本当に楽しい新年会であった。


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