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南アルプス・荒川三山 その2
川又 康司

山行日 1980年16日~21日
メンバー 川又(単独)

 身延駅を出る時はまだ曇っているだけだった空も田代入口にバスが着く頃には雨と変わっていた。初日から雨とはついていない。
 軽く朝食を摂った後、雨具に身を包み少しでも早く雨が上がることを祈りながら二軒小屋を目指して出発する。30分も歩いた頃にはすっかり雨も上がり時々晴れ間も見えてきた。
 発電所を過ぎた所で登山道に入る。そこからは茨城から来たという単独行の人と一緒に歩き出した。転付峠まであと30分くらいの所まで来た辺りから、また雨が降り出したので早速雨具を取り出し二軒小屋を目指したが直ぐに雷が鳴り出し雨も激しさを増してきた。ここで途中から一緒の兄ちゃんと相談、結局峠の少し手前に水場がありテントを設営できる場所もあったからここに泊まることになった。兄ちゃんは小屋素泊まりの予定であったためテントまで一緒になった。
 2日目は千枚小屋までの予定であるが、ここで三伏峠から入るメンバーと合流することになっている。今日の兄ちゃんと一緒である。
 朝、天幕から顔を出した時は星が出ていたのだが2時間も歩かないうちに、また雨が降り出してきた、雨は止む様子を見せず増々激しくなってくるしその上、今日は樹林帯の中の登りだけであることを考えるとうんざりしてしまう。
 千枚小屋に着けば田代さん達が待っていて夕食の準備ができているぞ、と自分を励ましながらどうにか千枚小屋と千枚岳の分岐に着いた時には雨も上がりここでのんびりと兄ちゃんと話しをしていた。
 小屋で田代さん、鈴木(一)さん、相沢さん、大野さん、小柴さんと合流。ここで食料を分けてもらい三伏峠までのコースでの注意する場所、水場などを教えてもらった。
 3日目は転付峠を越えないでこのまま1日早く下山するという田代さん達メンバーと別れて出発した。千枚岳、悪沢岳、中岳、前岳と過ぎ、高山裏露営場に着く頃には、また雨が降り出してきた。初めの予定では三伏峠まで行く予定であったが残念ながらここで泊まることにする。
 4日目も朝から直ぐにでも降り出しそうな天気である。小屋を出るとやはり降り出してきた。小河内岳までは誰にも会わず避難小屋に着いた時は雨具の中までビッショリである。三伏峠に着き天気図を書いたがしばらくは雨が続きそうである。残念であるが塩見岳までピストンして下ることにする。
 翌日、塩見岳を目指して出発したが相変わらずの雨とガスのため途中で引き返してしまった。毎日雨ばかりの山行であったが今度来る時には晴れてくれることを願いながら三伏峠を後にした。


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