参加者 広瀬、川又
2月27日、机上講習を岸記念体育館にて受ける。全般的な内容について説明を受けた後、ザイルの結び方を教わる。
3月1日、吹雪の中、マチガ沢へと向かう。
1.アンカーのとり方
2.スノーボートの操作
3.柴ゾリ
4.ゾンデによる雪崩埋没の捜索
5.タコツボの掘り方と利用
上記の項目を4班に参加者を分け、ローテーションしながら全項目を行った。
概略を説明書より抜粋する。
1.アンカーのとり方
雪稜におけるアンカーのとり方としては、図(1)のようにしたピッケルによる方法が一番確実である。ピッケルの代用品としてスノーバー、スコップ、ストック、背負子、木、ザックなどがある。
立木をアンカーに使用する時、硬い木と柔らかい木がある場合は柔らかい木の根元にグローブヒッチでセットする。根曲がりの場合はプルージックでセットする。柔らかい木のほうが良い。
2.スノーボートの操作
スノーボートや次にあげる柴ゾリなどは雪上における搬送法の代表的なものでありまして、冬山における急造ソリ、タンカの搬送法と原理は同じであるから確実にマスターしておかねばならない。
スノーボートに負傷者および病人を乗せる時は体位を考えて乗せること。
スノーボートを操作する時の人間の配置は図(2)のようになる。リーダーは進行方向の指示および舵取りも行う。
3.柴ゾリ
柴ゾリには二つの形があり扇形に作るのと、ワラ納豆のワラのように作るのとがあるが、ここでは扇形に作るものを取り上げる。
柴ゾリになる立木に良いのは柔軟性に富んだ2.5~3mの枝の広がった木2~3本と1.5~2mの枝が細かい木を多数使用する。①の上に②を乗せてロープで編むのであるが、根本になるA点の編みをしっかりやること。柴ゾリでは人間を図(3)ー(4)のように乗せ牽引者のみでスノーボートと人間配置が少し違う。
4.ゾンデによる雪崩埋没の捜索
ゾンデによる雪崩埋没の捜索には多数の人員が山に向かって横一列に並び、号令に従ってゾンデ棒を刺し前進して何かの感触があったら担当者に声を掛けて目印をつける。本人の持ち物を発見した時、その近くから調べ始める。また、本人の名前を叫ぶと良い。
5.タコツボの掘り方と利用
タコツボ(縦穴式の雪洞)はフォーストビバークに使用するために、自分の持っている食器、ピッケル、スキー板、ヘルメット等々で掘り、体を穴に伏せて体力の消耗を防ぐのである。
タコツボを作る場所は雪が十分積もっており、しかも雪崩、落石のない所です。
地吹雪が舞う中で昼食、休憩もとらずに皆さん熱心に行っていました。
講師からのお願いとして、これらの技術が各会において実際に使われることのないように今後も安全な登山をして下さいとのことでした。