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帯那山行記
杉野 真之

山行日 1981年6月7日
メンバー (L)杉野、鈴木(一)、高木、相沢、村山、沼山、野口

 ガイドブックによりますと「夜行列車だと始発バスまで約4時間も待つことになるのでできれば朝発ちが良い」と書いてありました。それで夜行列車を利用することに決めました。前夜の10時にやや遅刻して三峰専用新宿待合所に到着しますと、何と予定メンバーが既に全員揃っていまして時間厳守を喚いていた。私一人遅刻をしてしまったので、やや吊し上げ気味の嫌味を真知子先生より頂いてしまいました。どうもすみません(どういう訳か、こんな時、岡部さんも一緒だったらなあと思いついたりして)。また、どうしたことか野口大先輩がいらしてまして、別の山へ登られる予定だったそうですが、我々のパーティに加わっていただくことになりました。
 ここでもう塩山に着いてしまうことにします。さて、始発バスまで4時間も寝られるというガイドブックの指示に従いすぐに寝ることにします。ところが野口大先輩は我々とはさすがに心がけが違うお方でシュラフのような浅ましい物はお持ちにならず。しかし、塩山の夜の4時間はやはり長過ぎるし、気温も低い。どうしようかということで、まあ少しはSamuiと言っても6月のこと、結局シュラフを広げて掛ふとんにして野口おとうさんと一夜を過ごしました。
 バスは終点の切差に到着しました。少し登ったかなと思うともう山頂についてしまいました。私にとっては、あまりにあっけない山を選んでしまったことについてメンバーからひんしゅくを買うのではないかと冷や冷やしました。山頂は牧場風の広い草原で山登りというよりもハイキングという感じです。少し休んで奥帯那山の二等三角点に着きました。標高1422mです。何と私は今年に入って未だ2000mを超してないのです。どうしてでしょうね。
 この後、防火帯の尾根道の上下を繰り返します。天気が良過ぎるくらい良くて汗だくです。弓張峠に着き、ここから「水が森」という一風変わった山の名の所を登るのです。割とこんもりした山で山頂は灌木の林の中で見通しはまるでないのですが、涼しくてとても気持ちのいい所でした。登りの距離は短いのですが急登で食事時にアルコールの入った野口先輩は苦しそうです。
 また弓張峠に戻りここからは下る一方で川に沿ってブラブラ下って行きました。途中、白い蝶が沢山フワフワと舞っていました。これはもちろん蝶でなくして、ウスバシロチョウだと私が説明しても皆信じてくれません。三峰の人達は何と疑い深いのでしょう。またある所では「山藤」の大きな木がありました。一利さんはここで「やまふじは普通の藤の花と違って花が上向きになるのだ」と偉そうに講釈しています。皆感心して聞いていました。何故あの人だけ信用されるのでしょう。やまふじのいっぱい咲いている(本当に山藤なのかしら)木の前で記念写真を撮りました。村山さんにあまりやまふじの花を見上げない方がよろしいのではないかと言おうとしましたが、恐ろしくて言えませんでした。
 グリーンライン昇仙峡バス停留所にやっと着きました。このバスは高木君が前もって調べたのによると、一番待ち時間のロスがのないバスだそうでして、中央線の列車接続が実にうまくいき明るいうちに新宿に着きました。メンバーの皆様ありがとうございました。


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