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富士山雪上訓練 所感
広瀬 昭男

山行日 1981年11月22日~23日
メンバー (L)広瀬、伊藤、中村、川又、高木、国行、麻生、村山、植村、勝部、安田、増田、播磨、江村(真)

 毎年恒例となっている富士山雪上訓練も今年で3度目の参加です。参加人員が直前で増減はあったものの、全員無事にカリキュラムをこなすことができました。
 11月22日、日曜日、タクシーが馬返しまで入ってくれず中の茶屋止まりとなり、歩行時間が増えなおかつ夜間の林道がよく判らず道を間違いつつも馬返しに着く。ここからは勝手知った道でもありぐんぐんと高度を稼ぐ。五合目には午前5時頃到着。大幅な時間オーバーとなった。6時半から9時半まで仮眠をとる。
 今年は昨年より少し雪が多かったが昨日、吉田大沢九合目付近で新雪表層雪崩があったばかりなので七合目で訓練を行うことにする。
 参加者を2班に分け、伊藤、広瀬をリーダーとして訓練を行った。
 当日は風が強く正午の観測によるとマイナス19度C、風速24mとなっていた。各々、良き耐寒、耐風訓練になったのではなかろうか、雪煙たなびく富士山は遠方より望むには一服の絵になるが、その場にいる者にとっては雪地獄だ。しかし、若き血潮のみなぎる面々ばかりなので一向に苦にもならない。
 翌日、11月23日、月曜日は佐藤小屋付近でコンテニュアス、スタカット確保の訓練などを行ったが、何としても雪が少なくピッケルを使用した確保がなかなかうまくできなくて皆苦労したようだった。雪面上ならばもう少しうまくできたであろう。
 11時には下山開始、富士吉田までの長い道程を3時間ほどで下山してしまう。
 近年富士山での事故が多いためか入山者は少なく、雪は今一つ不足気味で思ったような訓練ができなかったのが、唯一つ心残りでもありました。参加者は極寒の中でもテキパキと行動がとれ、非常によくまとまっていたと思いますので今後もより結束力を固めて厳しさに立ち向かっていってもらいたい。


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