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日光太郎山
安田 章

山行日 1981年10月4日
メンバー (L)播磨、岡部、村山、相沢、安田、増田、伏見

 出発の前日、日光地方は雪。スパッツをザックの荷に加え詰め込んだ。
 東武浅草駅より山岳夜行に乗り、日光駅に着いてからバスが出る電車の中で仮眠をとる。
 陽が昇る。いい天気だ。とても寒い。バスで光徳入口まで行く。車道より右に入り20分ほど行くと光徳沼に着く。ここで朝食を摂る。太郎山はもちろん、山王帽子山や男体山が見える。山の上の方は雪化粧。青空を背景に雪の白さが映える。光徳牧場の横を通り山王林道に出てしばらく行くと右側に太郎山への登山口がある。
 始めの所は林の中の道、やがて登りがきつくなる頃河原のような所に出る。高さが増すにつれ後には戦場ヶ原の広がりがよく見えてくる。また、辺りの紅葉も目立ち始め雪も増えてくる。そして、稜線手前の急傾斜の砂礫の道まで来ると奥白根山や遠く燧ヶ岳がその白い姿を見せる。
 稜線に出ると再び林の中に入る。この辺りはもう10cmくらいの積雪があり時折、木の枝から落ちてくる雪に思わず首をすくめる。その木の向こうには奥白根山が見え隠れする。太郎山の真っ白な頂きも間近に迫る。そして、10時過ぎ太郎山より一つ手前のピーク、西峰に着く。ここからの眺めは見事だった。目の前の男体山、いつも中禅寺湖越しにばかり見ている男体山とは随分と形が変わっている。奥白根山の荒々しい姿も印象的である。西峰から太郎山までは30分ほどで到着する。頂上は広く風も弱く暖かだった。1時間ほどのんびりと昼食を摂る。
 下りは登ってきた道を少し降りた所から左に折れる。途中、平らに開けたお花畑がある。もちろん今は花はなく一面の雪。しばし雪合戦に興じる。そこから新薙の急傾斜を降りていく。雪が融け、ぬかるんだ道は歩き難い。やがて林道に出て2時間ほど行くと三本木のバス停に着いた。
 今回の山行は素晴らしい天気と今年初めての雪、そして紅葉と山の美しさを存分に味わうことができた。思い出に残る山行になったと思う。


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