参加者 植村隆二、勝部辰朗、安田章
場所 3月26日、岸記念体育会館(説明会、机上テスト)
4月4日、登攀審査(モミソ懸垂岩)、縦走踏査(モミソ岩~天神尾根~塔ヶ岳~烏尾中尾根~モミソ岩)
国体での山岳競技が正式種目となって日が浅いためかまだ一般の人々にはあまり知られておらず、当会会員諸氏も判然とはしていないのではなかろうか。
我々も予選に参加するまでは同様だったが、実際参加した今は驚かされたことも多かったけれど、結果的には有意義だったと思う。
日頃の山行では判りきっていると思っていることでも、いざテストされてみるとうろ覚えなことも多く、また登山の原点は体力だと改めて痛感させられた。
予選の概略は、先ず参加者説明会時に観天望気、救急法、沈黙時間などの基礎知識についての机上テストがあり(こんな話は田原氏から聞いてなかったし、まして参加者が我々を含めても8名しかいず、他会のメンバーは話しぶりから自信満々に見えて我々のような物見遊山は場違いだとこの時は思った)、次に登攀(丹沢モミソ懸垂岩)と縦走踏査(モミソ岩~天神尾根~塔ヶ岳~烏尾中尾根~モミソ岩)の審査があってその総合点を競うものである。
実技は登攀部門から始まったわけだが昨夜来の雨は上がったものの生憎小雪がちらつき、岩は濡れてゲレンデコンデションは悪く取り付くと直ぐに手が冷たくなってかじかんでくる。
競技内容は全員15kgの荷を背負い重登山靴に登攀の完全装備を着用しモミソ岩の定められたエリア内(1m弱)をトップロープ方式で確保、登攀を行い時間(70点)と技術(持点30点、減点方式、三点支持、確保体勢、下降等)を競うものである。
モミソ岩はどこからでも登れるが苦心してルートを拵えたらしく、綺麗にホールド、スタンスが豊富な所は避けられて上部の被り気味の所を通過するようになっている。
初めにルートを示された時は皆一様に時間内に登れるか心配になったものだ(実際、被り気味の所で時間をとられた)。
順番通りに一番登攀、二番確保と順送りに登ったわけだが、やはり普段本番を登っている人と我々のようなぶっつけ本番組との差は如何ともしがたく大差がついてしまった。
まだまだ練習不足なのだから当然だが我々の欠点を指摘されたことは今後の良きアドバイスになった。
次に縦走踏査であるが15kgの荷を背負い、モミソ岩~天神尾根~塔ヶ岳~烏尾中尾根~モミソ岩を縦走して出発時に渡された問題に解答しながら時間と読図能力を試すものである。
しかし、要は体力の勝負であり如何に走り続けられるかがポイントになる。
登攀と同じ順に3分間隔にスタートしたが、丹沢表尾根を縦走するわけなので老若男女のハイカーが多く、のんびりと稜線歩きを楽しんでいる人達には我々のように脇目も振らずに走り通す連中を何をしているのかと不思議な目で見たことは確かだろう。
荷のほうは苦にならなかったが標準コースタイム4時間半のところを2時間で走ったわけだし、別に一本たてることもなく丹沢特有の赤土が小雪と雨でぐしょぐしょになっている時はゴールした後の姿は想像がつかれると思う。
読図の方も時間に気を取られて肝心のチェックポイントはきっちり見落として記入しようにもできない設問もあった。
縦走の方はまずまずだったが総合判定は予想通り登攀での差がほとんどであった。
現在の都岳連の選抜方式では当会としても体力ある若手が登攀など基本に忠実な技術、知識を身につけていれば必ずや国体選手になれるであろうし、皆さんも積極的に参加されてみるのも今後の良き励みになると思います。