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巻機山 その1 先発隊
勝部 辰朗

山行日 1982年4月17日~18日
メンバー (L)広瀬、植村、安田、勝部、岡部

 巻機山は今年中に登りたいと思っていた山の一つである。
 4月16日夜、紅一点の整子姫を擁した我らが車は一路巻機へ。
 17日朝、天気晴、スキーをザックに付けて出発。今日は日焼けしそうだ。
 小屋が散在する辺りで水を汲みキジを撃つ、こういう雪の平原でひんやりとした風に尻を撫でられていたすキジ撃ちは格別の趣がある。そこで一句、「巻機を眺めて涼し野ぐそかな」。
 樹林帯の急登を終え稜線に出た頃、遥か彼方にあった黒雲が一気に押し寄せ軽い吹雪となり冷え込みだした。
 ゆっくりしたペースで登っているうち、整子姫の太ももがヒクヒクと痙攣を始めた。小休止後、少し登った所で樹林帯が切れ、なだらかなスロープが目の前に現れた。誰もいない滑ってくれと言わんばかりの斜面である。我らが軟弱先発隊のこと、早速予定を変更しここにテントを張り、滑って遊ぶことに意見の一致をみた。
 誰もいない誰も滑った跡のない所にシュプールを付け転び跡を付けるのは気持ちのいいものだ。整子姫も「ヤバイ!ヤバイ!ヤバイ!」などとつぶやきながら滑りこけておられた。
 夜は夜で姫製作による「八宝菜」「サラダ」等々、また広瀬氏作のチーズフォンデューなるもの等で華麗なる宴が繰り広げられた。
 18日、本隊と合流し、本隊はピークへ向かうも、またもや我ら軟弱先発隊は、「ピークへ行かんもんね、ここで滑って遊ぶんだもんね」と決め込んでしまった。
 そんな精神でいるから最後の一滑りで俺は捻挫をしてしまい、下りはやはり故障者の遊佐さんとラストを足を引きずりながら下る羽目となった。
 帰りは猿ヶ京温泉で風呂に入り、帰るのが面倒くさくなって泊ってしまい、翌日ゆっくりと高崎観音見学などをして帰京した。
 今回は徹頭徹尾軟弱を貫き通した山行でありました。


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