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新年山行 陣見山 その1
野口 孝司
山行日 1982年1月24日
メンバー 川田、広瀬、植村、勝部、川又、高木、伊藤、桑名、国行、播磨、田原、中村、山本、岡部、小柴、関谷、江村(皦)、野口、鈴木(竹)、小堤、堀田、渡辺(恵)、鈴木(一)、沼山、西島、藤居、斎藤、岡田、原口

 その昔、上杉軍と武田軍が戦った際、武田軍がこの山に登って児玉町にあった上杉方の雉岡城の城兵の陣列を見たことに由来するという。この陣見山の展望は素晴らしい、眼下に秩父の町々から武甲山の削り取られた荒々しい山容の後方には奥秩父連峰。踵を返せば男体山を盟主とする日光の前衛。赤城山からその奥には谷川岳と、晴天に恵まれました新年山行は小春日和のポカポカ陽気の中で豪華な宴が繰り広げられました。
 秩父鉄道の樋口駅に下車した一行は野上下郷の里道を緩やかな登りから始まる。部落を抜けて林道をしばらく行くと右手に古い指導標があり、ここからハイキングコースに入るが先ず小休止。汗ばんできたので軽装になったところで出発。後続隊に判るようにと熊笹を引き抜いて立てそれに矢印をして、三峰山岳会この道に入ると書いておく。
 落ち葉を踏むとカサコソと音をたてる道は始めから急登である。やがて緩やかになると先程の分かれた林道に飛び出す。これを横切って山道に入って一汗かくとまた林道に飛び出すという、気分ぶち壊しのコースである。ひょいと後ろを見ると山を削って造られた長瀞ゴルフ場が同じ高さで谷一つ隔てた向こう側に見えて、これまたガッカリ。
 最後の林道と分かれて急登となるといよいよ陣見山も近い。上からモートーの声が聞えると元気になる。朝食も満足に食べていないのでよたよたして山頂に着くと原口氏、田原氏、義ちゃん連中は盛んにラーメンを食べている。お湯も沸いていたので原口氏にコーヒーを入れてもらい、播磨ファミリーからセンベイとニギリメシをもらい一応腹ごしらえ完了。寒くはないが先発隊が焚き火をしてくれたのであたっていると、最後尾の那和ファミリーとお母ちゃんが到着。川田氏の音頭で乾杯、さあこれからが大変、日本酒、ウィスキー、ワイン、焼酎の何でもござれ、豚汁と各自持参のサカナで宴会が始まる。酔いが回ったところで各人の自己紹介から歌まで入りこれを録音する播磨氏(このテープはイラクで建設の仕事をしている別所氏に送る由)。
 最後に三峰ファミリー一同の記念写真を撮って出発、尾根伝いに大月峠を越えて波久礼駅まで酔心のうちに着いてしまった。計画から準備まで担当してくれた川田氏に感謝。
 参加人数、総勢47名でありました。

新年山行 陣見山 その2
鈴木 一利

 東京の朝6時は何と冷え込みの厳しいことか!!
 今日は新年山行。女房の「一日くらい一人でのんびりしたい」との希望を聞き入れ、私も子供連れ参加となりました。
 一番バスに少し時間があり冷え込みが厳しいので駅までタクシーを奮発。
 娘は去年の10月以来の山行で非常に楽しみにしていて、当日も朝5時頃から目を覚ましていた様子でした。
 池袋で会のO.Bや会員の方々と会い陣見山へ出発進行。
 風が強く、日が出れば少しは風も弱まると思っていても一向にその気配がない。
 私も当日、最年少の娘と共に部落の中を皆より遅れてテクテクと歩く。
 登山口に先発隊の人達の目印があり、それに導かれながら登る。
 最初の急登を登り山頂へ、すぐ降りる。降り切ると榎峠へ出る。峠へ出ると児玉町側と樋口からの林道がきている。
 何のためにあるのか考えさせられてしまうこの林道。
 峠から小さな登り下りを2、3度すればはや陣見山である。
 山頂には三峰の老若男女、総勢4~50人もいたであろうか。
 山頂では心配していた風もなく日当たりも良い所であった。
 全員で乾杯をしてトン汁で昼食、自己紹介、そして自慢の喉を聞かせていただき、記念写真におさまり、大月峠から波久礼駅に向かって歩き、全員無事カエルとなりました。車中でも残った酒が廻り出し楽しい一日でした。
 私が家に帰ると女房は手持ち無沙汰の一日だったようです。娘は、「豚がブーした」「コーラを飲んだ」「大好きなかごめかごめした」「今度はお母さんも一緒にとおじさんが言ったよ」などと、楽しかった話を女房にしていました。
 会の皆さんに娘ともどもお世話になった一日でした。
 今年一年元気で山行を重ねて来年もまた娘ともども参加したいと思っております。
ー追記ー
 私事ながら娘は帰りの電車の中で歌った「ヒロミ」という歌を知っていたので思い出したらしく新年山行以来、夜の子守唄が「ヒロミ」に変わり、私もそれを聞きながら原稿を書き上げた次第です。

新年山行 陣見山 その3
関谷 伴子

 1月24日、池袋赤羽線ホーム、7時半集合、一見して仲間と判る人達が集まっている。老若男女30人余りがぞろぞろと東上線のホームへ行き、ほぼ1車両の座席を占める。異様な雰囲気の団体に乗ってくる人は思わず目を向け、次に関わりを持つまいという顔をする(帰りの電車でもそうであった)。私も少し前まではあんな顔をしていたんだなと思いちょっとおかしい。
 2回乗り換えて樋口駅着。大寒を過ぎたばかりというのに良いお天気だ。かなり急な坂を汗をかきながら登って頂上。関東平野が見渡せるが先ずは腹ごしらえに精を出す。ビールで乾杯の後、おにぎり、サンドイッチ、お菓子、サラダ、おつまみ、そしてコーヒーにお酒。そのうち感動的にひしゃげた鍋で作ったトン汁の登場。食器にゴミが入ったりしているが戸外の気分でまた良い。
 宴たけなわの頃、後から登ってきた人達がニコニコと機嫌の良さそうな顔で宴席の真ん中を通っていく。人は街から離れるとこんなに良い表情をするのかと思う。子供はどこから見ても子供だし、O.Bの方々は元気に現役復帰を宣言なさるし、お天気はいいし、ほろ酔い加減で気分はいいし、いいぐるーぷなんだなと改めて感じた。
 6時頃池袋着。今週1週間働くための気分の基ができたなあと思う。


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