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白毛門
村山 久美子

山行日 1981年12月6日
メンバー (L)伊藤、村山、沼山、林、中村、桑名、杉野、播磨、国行

 白毛門というと雨を思い浮かべてしまう。初めてこの山を訪れた昨年6月のこと。山の形も何も見えず、ひたすら歩いただけの山行だったから、木の根がよく出ていたことや大きな岩が出現した記憶がよく残ってしまった。さて今回は初冬の白毛門である。
 12月6日、例の土合駅前のバス待合室の中、杉野氏に力いっぱい叩き起こされて目が覚める(いつもは立場が逆ですのに)。
 食事を済ませ、装備を整えて、7時にぼつぼつ歩き始める。爽やかな空気が今日の山行の素晴らしさを想像させてくれる。尾根を少し登った所で汗がタラリ。Wヤッケ上下をザックにしまい込む。トップは快調の国行氏。冬山訓練のためと、しっかりワカンを持参している。皆さん、見習いましょうね。しかし、このペースで頂上まで行ってしまうのだろうか、心臓の弱い私、少々心配になる。
 谷川岳が見渡せる展望地に出ると、皆んなの岩の説明会だ。私も覚えようとその方を見るのだが、なかなか形をつかめない。白毛門が近づいてきた所で沼山さんの足がつってしまった。痛い時には一歩だって歩けない辛さ、経験者の私にはよく解る。
 11時、白毛門着。少し遅れて播磨さんと沼山さん、親子のように到着。よかった。
 どこかのパーティが笠ヶ岳へ向かう。真っ白な世界に自分達の足跡を少しずつ延ばしていく、曲がっているとか遅いとか勝手なことを言いながら、我々も行ってみようと本気で言う人は一人もいない。山頂での1時間というものは短い。満足すべき今日の眺望に感謝する。だから山に来るんだなあって改めて思う時、皆んなの顔がとても美しく見える。
 12時下山。雪をかき分けたり、潜ったり、飛んだり滑ったり、目一杯雪に遊ばれて白毛門が見えなくなった。


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